Freescale Semiconductorは、中小規模事業者(SMB)向けにエンタープライズ・クラスの機能を備えたセキュリティ・ネットワーク機器を実現する新しい「QorIQ P2041クアッドコア・プロセッサ」を発表した。統合脅威管理(UTM)セキュリティ・アプライアンスを主なターゲットとしており、1Uシャーシなどの小型かつ安価なフォームファクタで最大10Gbpsの性能を実現することが可能だと同社では説明している。同製品は、2011年中頃にサンプル出荷を開始する予定で、対応ソフトウェアおよび開発ツールには、Linux BSP、ソフトウェア開発ツールキット、ならびにリファレンス・デザイン・ボードが含まれる予定となっている。

同製品は、ハイエンドのマルチコア処理エンジンに、ハードウェア仮想化、暗号化およびディープ・パケット・インスペクション(DPI)技術といった各種機能を組み合わせた1チップ・ソリューションであるため、一般的な2チップ・モデルや3チップ・モデルをベースとするUTMアプライアンスに比べて、コストの削減が可能なことに加え、45W SOIプロセスを採用することで12W(typ)動作の低消費電力性も提供する。

最大1.5GHzで動作する4つのPower Architecture e500mcコアを搭載しており、コアごとに32KBのL1命令/データ・キャッシュと128KBのL2キャッシュ、および1MBのCoreNetプラットフォーム・キャッシュを搭載。

また、64ビット(ECC機能使用の場合72ビット)のDDR3/3Lメモリ・コントローラ、1333MHzのデータレートのメモリに対応し、最大5GHzで動作する10本のSerDesレーンにより、以下の機能をサポートしている。

  • 高性能XAUI
  • 5つのGigabit Ethernet(SGMII、RGMII)
  • 4つの2.5Gbps SGMII
  • 3つのPCI Express Gen2コントローラ
  • 2つのSerial RapidIO 1.3/2.1コントローラ、タイプ9および11メッセージングをサポート
  • 2つのSATA 2.0コントローラ

その他、SD/MMC、2ポートのPHY内蔵USB 2.0、4つのI2Cインタフェース、2つのDUART、16ビットのローカル・バス、セキュリティ・エンジン、パターン・マッチング・エンジン、キュー管理、バッファ管理オフロード、分類機能と監視制限機能を備えた仮想Ethernetポートなどを搭載している。

なお、同製品は783ピンの23mm×23mm FC-PGBGAパッケージを採用しており、「QorIQ P2040」とピン互換性を確保している。