朝日新聞社は5月18日、iPadやAndroid OS搭載端末、PCに対応した朝日新聞の電子版「朝日新聞デジタル」の配信を開始した。紙の新聞との併読(「ダブルコース」)の場合は月額1,000円、デジタル版単体では月額3,800円で、7月末までは無料で閲覧可能となっている。

「朝日新聞デジタル」のロゴ

「朝日新聞デジタル」(以下、デジタル版)には役割に応じた3種類の「版」が用意される。この3種類は、20人規模の編集人員が24時間体制でリアルタイム速報を行う「24時刊」と、1日あたり約200本の記事が掲載される「朝刊」、"日刊の雑誌のようなメディア"という位置付けで1日あたり150本ほどの記事が掲載される「You刊」となる。

「朝刊」「24時刊」「You刊」の3版を用意

同社は新聞の強みである"編集"という要素をデジタル版に反映させるべく、"面"で記事を見せることを重視したレイアウトを実現。紙のような「めくる」動作に対応させたほか、紙では実現不可能だった動画コンテンツや豊富な写真コンテンツ(1記事あたり最大で7枚ほど)も提供される。

動画コンテンツの配信も行われる

また、このデジタル版にはユーザーの好みに応じてパーソナライズできる機能「MY朝日新聞」が実装されており、お気に入りの記事に付せんをつけて保存できる「スクラップブック」や、1面記事について時計を逆回転させる感覚でさかのぼって閲覧できる「1面タイムマシン」、コトバンクと連携した用語辞書、過去1年分の記事を対象とした検索・閲覧といった機能を利用できる。

過去の1面記事を時計の針を操作する感覚でさかのぼって閲覧できる「1面タイムマシン」。この機能は映画「ハリー・ポッター」シリーズに登場する「魔法新聞」にヒントを得て実装されたという

「スクラップブック」機能

このデジタル版を利用するには、同社のログインシステムである「Jpass」への登録が必要。デジタル版は7月末までは無料で利用できるが、この「Jpass」への登録作業にはクレジットカード情報の入力が必須となる。

デジタル版の対応デバイスはPC、iPad、Android OS搭載端末。iPhoneについては「審査中」(同社)

なお、デジタル版は複数ユーザーでの同時閲覧が可能となっており、「Jpass」1アカウントあたりの同時ログイン数は「一般的な家族の人数程度」(同社)とされている。

ちなみに今回のサービス開始時点ではiPhoneが対応デバイスに含まれていないが、同社によれば「iPhoneについては現在(アップルによる)審査中の段階」だという。