STMicroelectronicsは、最大50Wの出力を同種の製品として外付けヒートシンクを不要とするデジタル・オーディオSoC「Sound Terminal」として「STA350BW」を発表した。

デジタル・オーディオSoC「Sound Terminal」として最大50W出力までヒートシンクを不要にすることが可能な「STA350BW」

携帯型ミュージック・プレーヤやHDマルチメディア機器等の普及に伴い、高品質オーディオがミュージック・ドックやサウンド・バー、デジタル・アクティブ・スピーカなどでも求められており、こうした製品に搭載されているヒートシンクおよび筐体の小型化を実現する上で、発熱量の少ない高効率D級アンプが中心的な役割を果たしてきた。

同製品は、Sound Terminalファミリの他の製品と同様、デジタル・オーディオ処理機能をチップに内蔵し、オーディオの明瞭性とシステムの信頼性を高める「Multiband Dynamic Range Compression(MDRC)」など、同社が開発した性能を強化する機能を搭載しており、非理想的なスピーカの特性を補正することが可能だ。

同製品での強化点としては、低音性能を実現する最適化された低域周波数応答があるほか、内蔵されている保護機能により、広範な障害条件からシステムを保護したり、実行時自動診断回路による障害予防などが可能となっている。

また、パワー段には、スピーカまでの完全なデジタル・オーディオ・ストリームを実現する同社のFFX技術が採用されており、2.0/2.1/1.0チャネル、または外部サブウーファ用PWM出力付き2.0チャネルを含む動作モードをサポートする実行時に選択可能な4種類の出力構成を用意することで、コンフィギュラブルな製品の柔軟性を高めることが可能となっている。

なお、同製品はすでに量産出荷を熱特性を強化したPower SSO36パッケージで開始している。単価は、1000個購入時で約4.50ドルとしている。