日本テラデータは5月17日、DWHアプライアンスの最上位機種「Teradata Active Enterprise Data Warehouse」の新製品として、「Teradata Active EDW 6680」と 「Teradata Active EDW 6650」の販売を開始した。Teradata Active EDW 6680はストレージとしてSSDとHDDを同時に搭載することが可能。
代表取締役社長の吉川幸彦氏は、「現在、データ活用のニーズとして、企業が厳しい市場を勝ち抜き、社内外の情報を一元化するために、スピード向上と大容量データの分析が求められている。これらを実現するため、今回、フラッグシップ製品としてTeradata Active EDW 6680とTeradata Active EDW 6650を発表した」と、新製品発表に対する意気込みを語った。
また同氏は、同社のアドバンテージについて、「DWHの専業ベンダーならではの実績と総合力」と自信を見せた。
米テラデータのCTOを務めるスティーブン・ブロブスト氏は、「BIGDATAを分析する時代がやってきた」というテーマで話をした。
「センサー技術が拡大して、今やテレビなどの家電をはじめ、ありとあらゆるモノがインターネットに接続する時代がそこまで目前に迫っている。これに伴い、モノからデータを収集して分析を行う『コンシューマーインテリジェンス』が広がりつつある。つまり、意思決定の仕組みがコンシューマーでも使われ始めているのだ。Googleはデータの提供は行っているが、分析ツールまでは提供していない。こうした分析のツールが必要だ」
同氏はコンシューマーを対象としたデータ分析の仕組みとして、米国で利用が進んでいるスマートメーターを挙げた。米国では、一般家庭にスマートメーターを導入することで、エネルギーの利用状況を把握し、利用状況に応じた柔軟な価格体系を提示しているという。「データを提供することで透明性が生まれ、コンシューマーがよりよい意思決定ができるようになっている」
さらに、同氏は「これまではすべてのデータを分析するべきと言われてきたが、そうは思わない。アクセス頻度が高い『ホットデータ』は全体の20%から25%に過ぎず、これらをアクセス速度が速いメモリやSSDに格納し、アクセス頻度が下がる『コールドデータ』は価格がHDDに格納するといった管理を行う必要がある。この時、データ管理の自動化がカギとなる」と説明した。こうしたデータのアクセス頻度に応じた管理を実現するのが、今回発表されたTeradata Active EDW 6680とTeradata Active EDW 6650だというわけだ。
Teradata Active EDW 6680の最大の特徴は、標準でSSDとHDDのハイブリッド・ストレージを実現している点だ。これを可能にしているのは、Teradata Virtual Storageという技術である。同技術は、ストレージの集合を仮想化して単一のプールと見なすことで、異種ストレージを混在させることを実現するTeradataデータベースの機能。同技術によって、業務系分析などで頻繁に利用されるデータをSSDに、また、月次レポートなどの利用頻度の高くないデータをHDDに自動的に移動することが実現される。
Teradata Active EDW 6650は、エントリーモデルの「6650C」(CPUコア数:6、メモリ容量:48GB)とハイエンドモデルの「6650H」(CPUコア数:12、メモリ容量:96GB)の2種類が用意されている。同製品にはHDDドライブが採用されており、将来的にSSDとのハイブリッドにアップグレードが可能になっている。同製品におけるSSDのサポートは2011年第4四半期の予定。
最小構成価格はハードウェアとソフトウェア込みで、Teradata Active EDW 6680が1億7,000万円、Teradata Active EDW 6650が1億円となっている。