Qt - A cross-platform application and UI framework |
Qtの次期最新版となる「Qt 5」の概要がQt Labsの開発者ブログにおいて発表された。Qt 5は2012年中のリリースを目指して開発が取り組まれるバージョン。2011年末ごろにベータ版をリリースする見通し。Qt 5における主な取り組みは次のとおり。
- グラフィックアーキテクチャを変更し、Qt QuickおよびQML Scenegraphをグラフィックアーキテクチャの中心とする。動作にはOpenGL 2.0を要求。QPainterは残すものの、メインでは利用しない。GPUを活用してスムーズなグラフィックレンダリングを実現する。
- アプリケーションUI開発をQt Quick/QMLベースへ。QWidgetベースの機能はそれぞれのライブラリへマージ。QML/JavaScriptを活用した簡単で高速なアプリケーション開発を促進する。
- 開発を社内中心の開発からオープンな開発体制へシフト。モジュラータイプの開発リポジトリを用意し、Qtへのコントリビュートをより機能的に、より高速に実施できるように変更。
Qt 4系に残っているレガシーコードが次世代システムへの移行を阻害しているとしており、Qt 5ではそういった面での改善を目指す。APIに変更は実施されることになるとみられるが、多くのケースで互換性は確保され、4系から5系への移行はそれほど難しくないものになる見通し。
当初はLinux (Waylang、X11)、Mac OS X、Windowsなどを対象として開発が実施される。Qt 4系でサポートされてきた商用UNIXなどはQt 5ではサポートされない可能性がある。OpenGL 2.0に対応した環境が要求されるようになる。利用するスクリプト言語としてはJavaScriptのみであり、ほかのスクリプト言語までサポートが広がることはないと説明がある。