Infineon Technologiesは、同社2011会計年度(2010年10月~2011年9月)に予定している投資の一部として、オーストリアでの生産能力拡大と研究開発に約1億9,800万ユーロを投資することを明らかにした。
同社のオーストリアの拠点であるフィラッハ、リンツ、クラーゲンフルト、グラーツ、およびウィーンの拠点には現在約2,500名の社員が在籍し、そのうち約900名は研究開発に携わっているほか、同会計年度を通じて400名を新たに雇用する計画を出している。
同投資について、同社では、エネルギー効率、モビリティ、およびセキュリティといった成長分野で続いている半導体ソリューションへの強い需要により、生産能力の拡大が必要になったとしており、投資の多くが電力工学および車載用エレクトロニクスのためのチップ開発と製造に振り向けられると説明している。
また、同社はインテリジェントなシグネチャ・ウォッチドッグIC「CIC61508」も発表している。同製品は、同社の32ビットマイコン「TriCore」と専用ソフトウェア「SafeTcore」を組み合わせることで、自動車業界規格「IEC61508」と「ISO26262」における、高いリスク水準の機能安全規格に準拠した監視機能を実現できるという。
適用アプリケーションとしては、車両安定性制御(VSC)、電動ステアリング(EPS)、エアバッグ制御、減衰システム、パワートレイン制御など、安全関連アプリケーションとなっており、クロック、電源、温度関連の演算誤差による共通モード故障をマイコン上で検出する機能により、この種の組み込みシステムで一般的に使用されるメイン・マイクロコントローラに対し、独立した診断監視デバイスとして機能する。
また、同製品対応の、ROMに保存されているテスト機能には、内部のopcodeテスト・スケジューラ/シーケンサがあり、詳細なデータを備えたテストリクエストのシーケンスを生成し、ユーザ定義テーブルに照らし合わせレスポンスを確認する。これ以外の監視機能としては、最大4個の電源における不足電圧や過電圧を検出する機能、最大8つの並列データ比較・検証機能の監視、重要なタスクで所定のディスパッチ・シーケンスと実行バジェットを確認するOSタスクモニタ、制御下にあるシステムを確定的な方法で安全状態にするために使用可能な、3つの独立したシステム制御ピンがある。
なお、同製品はTSSOP-38ピンパッケージで提供され、-40℃~+140℃の温度範囲に対応している。すでにサンプル出荷を開始しており、量産開始は2011年第2四半期を予定している。