ルネサス エレクトロニクスは、家庭向け高機能電力メータ「スマートメータ」向け16ビットマイコン「78K0R/LG3-M」を開発、サンプル出荷を開始したことを発表した。サンプル価格は500円で、量産は2011年9月から月産5万個で計画している。
同社は2009年11月にスマートメータに必要とされる主要機能を1チップで実現できる8ビットマイコン「78K0/LE3-M」および「78K0/LG3-M」を市場投入していたが、その後、市場から自動検針機能や電力の見える化やその他多彩なサービスを実現するためのさらなる多機能化の要求があり、今回、従来製品比2倍となる128KBのフラッシュメモリと同3倍となる7KBのRAMを搭載し、同社製16ビットCPUコア「78KOR」をベースに採用することで、電力メータの多機能化に伴うソフトウェアのプログラムサイズの増加に対応を図った。
また、高精度な24ビットΔΣ型A/Dコンバータに加え、LCDドライバやRTC、電力演算機能を専用回路として内蔵するしたほか、入力信号のズレを補正するキャリブレーション機能や、停電や電流/電圧ピーク検出機能を搭載した電力品質測定回路、積算電力の改ざんを防ぐアンチタンパ回路などを搭載したことにより、従来ソフトウェアで実現していた機能もハードウェアで対応可能にした。このため、セットメーカーのソフトウェア開発負担の軽減が可能となるという。
なお、同製品の電力演算精度は有効電力測定誤差0.1%を実現しているため、日欧中の電力メータ規格に準拠できるという。