2011年国内IT市場予測、震災の影響があるなかスマホは前年比成長率31.7%増

IDC Japanは5月12日、東日本大震災による影響を考慮した国内製品別IT市場予測を発表した。これによると、大震災の影響によって新規のシステム構築が抑制されるため、2011年、ハードウェア市場の前年比成長率はマイナス5.0%、パッケージソフトウェア市場はマイナス7.9%、ITサービス市場はマイナス1.8%と、いずれもマイナス成長となるという。

同社は、「2011年の各市場規模は世界金融危機の影響を強く受けた2009年と同規模か、あるいは下回る低水準となり、ITベンダーにとって厳しい年になる」と指摘している。

2011年のハードウェア市場は5兆857億円で、2009年の5兆215億円とほぼ同水準の市場規模、パッケージソフトウェア市場は2兆1,106億円で、2009年の2兆1,905億円を下回る水準となり、ITサービス市場は4兆8,541億円で、2009年の5兆212億円を1,000億円余り下回る水準となる。

ほとんどの製品が2011年にマイナス成長となるなか、コンバージドモバイルデバイス(スマートフォン)は前年比成長率が31.7%と、2010年の13.7%からさらに高成長となることが見込まれている。

同社では、2011年の秋頃から2012年にかけて、政府自治体の復旧や復興需要が本格化するとともに、米国や新興国による外需に牽引されて景気が回復すると見込んでいる。景気回復に伴い、国内IT市場もプラス成長に転じるという。

これにより、2012年のハードウェア市場の前年比成長率はプラス4%、パッケージソフトウェア市場 プラス3.2%、ITサービス市場プラス2.3%と、いずれもプラス成長に回復すると予測されている。