STMicroelectronicsは、ワイヤレス・インフラストラクチャ機器メーカーが、高い柔軟性かつコンパクトな次世代モバイル・ネットワーク用基地局を低コストで実現することを可能にする次世代無線基地局用IC「STW82100B」シリーズを発表した。

次世代無線基地局用IC「STW82100B」シリーズのパッケージ外観と活用イメージ

現在、モバイル・ネットワーク事業者は、14.4Mbps以上のデータ転送が可能な高速通信サービス(HSPA/HSPA+)の導入を急速に進めていることに加え、次世代高速通信規格「3GPP-LTE」の導入も進めている。

同シリーズは、同社のBiCMOSプロセスを用いることでRF周波数シンセサイザやダウン・コンバータなど、基地局の主要機能を1チップに集積したデバイスで、LTEなどの標準規格への適合性もすで検証ずみとなっている。

STW82100Bシリーズは、同社のRF周波数シンセサイザIC「STW81102」シリーズをベースにしており、「STW82100B」「STW82101B」「STW82102B」「STW82103B」がラインアップされており、レシーバ・セクションで使用する場合、アンテナ経路ごとに専用LO(Local Oscillator)周波数ジェネレータを設置するか、またはより伝統的なアンテナ・ダイバーシティ方式で使用することが可能となっている。また、トランスミッタ・ループバック回路では、優れた利得平坦性および外付けPINダイオードを駆動して最適な信号レベル・キャリブレーションを実現する内蔵10bit D/Aコンバータのメリットがあるという。

なお、同シリーズはすでにVQFPNパッケージ(7mm×7mm)で量産出荷を開始しており、単価は1,000個購入時で約6.0ドルとしている。