ユーシーテクノロジ、フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン、IARシステムズの3社は、ARM Cortex-M4コアをベースとするFreescaleのマイコン「Kinetis」に対応したμT-Kernel「UCT μT-Kernel DevKit tuned for Kinetis」を発表した。

ユーシーテクノロジは、ユビキタス・コンピューティングの基盤研究所であるYRPユビキタス・ネットワーキング研究所の協力を得て、μT-KernelをKinetisファミリに最適化し、IARシステムズの統合開発環境「Embedded Workbench for ARM(EWARM)」に対応させることで、「UCT μT-Kernel DevKit tuned for Kinetis」として完成させた。

μT-Kernelは、T-Engineフォーラムで従来のITRONなどのユーザ向けに次世代組み込みRTOSとして標準化されているもので、同製品は、Kinetis専用のIARシステムズ評価キット「KSK-TWRK60N512」での評価版ソフトウェアとしても提供される。

同評価キットには、Kinetis用のモジュール形式の開発プラットフォーム「Tower System」に、JTAG-ICEや評価版の統合開発環境が同梱されており、Kinetis上での「UCT μT-Kernel tuned for Kinetis」の評価のほか、産業向けコントローラや医療機器、家電などのアプリケーションに近い試作まで行うことが可能となっている。

なお、ユーシーテクノロジでは、今後T-Kernelの普及に向けてさまざまなCPUや開発環境への適用を進めていくとしている。「UCT μT-Kernel DevKit tuned for Kinetis」にはKinetisファミリに最適化したμT-Kernelのソースやネットワーク、各種サンプルソフトが提供され、価格は1ライセンスあたり19万8000円(税別)を予定。出荷は2011年7月から開始される予定となっている。