National Semiconductor(NS)は、データセンタのサーバやストレージ・システム向けに高いシグナル・コンディショニング性能と低消費電力を実現する次世代PCI Express(PCIe)Gen3(8Gbps)リピータ・ファミリとして「DS80PCI102」「DS80PCI402」および「DS80PCI800」を発表した。

NSのPCIe Gen3規格準拠リピータ「DS80PCI102」「DS80PCI402」および「DS80PCI800」のパッケージイメージ

同PCIeリピータは2011年4月に開催されたPCI-SIGコンプライアンス・ワークショップで、Intelのサーバプロセッサと第3者の複数のPCIeコントローラを使ったGen3インターオペラビリティ(相互接続性)テストに合格している。同テストでは、Gen1、Gen2、Gen3の速度での×4、×8、×16構成によるリンク・トレーニングとデータ交換が行われた。

同社の第3世代SiGe BiCMOSプロセスを採用しており、最大36dBの受信イコライゼーション・ゲインと12dBの送信ディエンファシスを提供することで、競合デバイスに比べ3倍の信号伝送距離と、半分の消費電力(チャネルあたり65mW)を実現し、シグナル・インテグリティの課題を解消することが可能となっている。このため、FR-4バックプレーンの伝送距離を40インチまで延長でき、Gen2のデータレートからGen3への移行が容易になるため、低コストの高損失ケーブルとボード・インターコネクトを使用した設計が可能になると同社では説明している。

DS80PCI800は8チャネル、DS80PCI402は4つの双方向レーン、DS80PCI102は1つの双方向レーンを内蔵しており、DS80PCI402は×4 PCIeインタフェースの実行を可能にし、DS80PCI800は×8や×16などの高密度インタフェースに最適だという。また、DS80PCI102の×1インタフェースは産業用およびデスクトップ・アプリケーションに最適だとしており、各デバイスは外部システムの妨害を受けずに、Gen3から新たに採用された送信FIRハンドシェイク・プロトコルとPCIeアウト・オブ・バンド(OOB)信号(送信アイドル/ビーコン、受信デバイス検出など)のシームレスな検出とマネジメントをサポートしており、設計の複雑さを低減しながら、電気的レベルとシステム・レベルの両方でPCIeのインターオペラビリティを保証するという。

また、リファレンス・クロックを必要とせずに3.3Vまたは2.5Vの選択可能な単一電源電圧をサポートしているほか、チャネル損失補正のための各レーン上での受信イコライゼーションと送信ディエンファシス機能により、インターコネクト距離を延長することが可能となっている。

なお、3製品ともすでにサンプル出荷を開始しており、DS80PCI800とDS80PCI402は10mm×5.5mmの54ピンLLPパッケージで提供され、価格はそれぞれ7.95ドルと5.95ドルとなっている。また、DS80PCI102は24ピンのLLPパッケージで提供され、価格は3.95ドルとなっている。いずれも量産品の出荷開始は2011年第3四半期を予定している。