オンラインサービス「PlayStation Network」が攻撃を受け、個人情報が流出した恐れがある問題について、ソニーは5月4日、米下院エネルギー・商業委員会の商業・製造業・貿易小委員会が開催した聴聞会で回答書簡を提出した。ソニーはその中で、今回の攻撃にインターネット集団のAnonymousが関与していた可能性を示唆したが、Anonymousは攻撃の責任を否定。「われわれではない」と反論している。

SCEA会長の平井一夫氏(2011年2月にスペインで開かれた英Sony Ericssonの「Xperia Play」発表会の写真)

この問題は4月に発生したPlayStation Networkへの大規模な攻撃に端を発する。その結果として、同サービスに加入する個人情報流出の可能性があると言われている。小委員会はこの問題についてソニーに質問状を出しており、Sony Computer Entertainment America(SCEA)の会長を務める平井一夫氏が書簡で回答した。

ソニーはその中こで、「プロによる慎重に計画された高度なサイバー攻撃犯罪の犠牲になった」とし、攻撃に対して自社がとった対策について記すとともに、「Sony Online Entertainmentのサーバーに、"We are Legion"という言葉を含むAnonymousという名称を持つファイルを発見した」と報告している。"We are Legion(われわれは軍団だ)"はAnonymousがよく使うフレーズ。

Anonymousは、ソニーが個人開発者"Geohot"ことGeorge Hotz氏らを相手取って訴訟を起こしたことに抗議し、「OpSony」としてソニーに「情報戦争」を仕掛けていた。だが、5日付でブログに声明文を掲載、今回の攻撃について自分たちの責任ではない、ソニーは証拠能力がないとして否定している。Anonymousはさらに、企業や政府関係者は自分たちについて間違った情報を報道関係者や市民に提供していると主張。「クレジットカードについて合法的で誠実な調査が行われれば、Anonymousに責任がないことがわかるはずだ」としている。

責任を否定するAnonymousのブログ

なお、ソニーは同書簡で、約7700万のPlayStation Networkのアカウント情報が流出した可能性があることを明らかにしている。これまでのところ、今回の攻撃が原因となったクレジットカードの詐欺事件は報告されていないとも述べている。