大阪市立大学は、同大複合先端研究機構の神谷教授と岡山大学の沈教授らの研究グループが、植物が光合成で水を分解し酸素を発生させる仕組みの詳細な構造を原子レベルで解明したことを受けて、同成果をもとに同じ化学構造をもつ触媒を人工的に開発し、メタノール製造を目指すことを発表した。

2015年までに燃料電池のモデル装置の完成、2020年までに製造技術の確立、2032年までに実用化を目標としており、民間企業や研究機関と連携して研究開発を進めると共に、大規模研究施設の設置を目的として経済産業省の「技術の橋渡し拠点」整備事業に近々申請する予定としている。

光合成の概念図

人工光合成によるメタノール製造が実現すれば、メタノールが燃焼してできる二酸化炭素を原料に再利用することで、二酸化炭素を出さないクリーンエネルギー循環システムの構築が可能となる。その結果、現在地球規模で直面しているエネルギー問題、環境問題などの解決につながるものと期待されると同大では説明している。