IDC Japanは27日、2011年の国内クライアントPC市場の予測を発表した。それによると、2011年国内クライアントPC市場は、東日本大震災の影響を受け、前年比9.2%減の1,432万台になるとしている。

国内クライアントPC ビジネス市場 震災前後の出荷台数予測の比較、2009年~2015年(出典:IDC Japan)

2010年下半期(7月~12月)の国内クライアントPC出荷台数の実績は755万台で、前年同期比15.7%増と高い伸びになり、2010年通年では、過去最高の1,578万台に達した。ただ、2010年~2015年における国内クライアントPC市場は、年間平均成長率が0.3%減となり、2011年は東日本大震災により、2011年2月の予測から69万台下振れするとIDCでは予測している。

1,432万台の内訳は、家庭市場が688万台(前年比6.8%減)、ビジネス市場が744万台(同11.4%減)。ただ、家庭市場における震災の影響は、2011年の前半に限定されるとしている。

ビジネス市場では、東北地方の経済の停滞だけでなく、電力不足によって生産性の低下などによる景気の下振れを懸念して、既存システムを延命させ、新規PCへの投資が停滞することが考えられ、震災の影響を考慮に入れた2012年度の予算策定に時間がかかり、その影響が4月、5月のPC出荷におよび、停滞する傾向が続くとしている。しかし、2011年第3四半期以降は、再びPCの買い替えが始まり、復興需要とも重なり、プラス成長に向かい、2011年後半から2012年にプラス成長が見込めるという。