日本HP エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 サーバーマーケティング統括本部 製品戦略室 室長の山中伸吾氏

日本ヒューレット・パッカードは4月26日、データベースの"ロックリリース"(ベンダーロックインからの開放)を支援する4つの新サービスを発表。データベースベンダー5社とともにデータベース改革を推進する「データベース改革推進アライアンス」を発足したことも明かした。

サービス提供の背景を説明した日本HP エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 サーバーマーケティング統括本部 製品戦略室 室長の山中伸吾氏は、昨年12月にOracleがインテルItaniumプロセッサー9300番台搭載サーバ上で稼動する「Oracle Database Enterprise Edition」のプロセッサー係数を2倍に変更したことを紹介。同社のUNIX搭載サーバ「HP Integrity」におけるOracleライセンス料が2倍になり、進行中のプロジェクトを抱える企業で大変な支障が出ていることなどを明かした。

OracleがItaniumuサーバ向けのプロセッサー係数を2倍に変更

こうした問題に対応するべく、同社は、長期的な視点に立ってOracle Databaseから他のデータベースへの乗り換えを推進してく必要があると強調。それを具現化するために「HP データベースライセンス ダイエットアセスメントサービス」、「HP SQL標準化アセスメントサービス」、「HP データベースポートフォリオアセスメントサービス」、「HP データベースマイグレーションサービス」の4つの新サービスを用意し、データベースライセンス ダイエットアセスメントサービスおよびSQL標準化アセスメントサービスに関しては、HPのサーバを新規購入したユーザーに無償提供していくことを説明した。

これらの中でも特に強調されたのが、HP SQL標準化アセスメントサービスである。同サービスは、個々のデータベース製品に依存するSQL文の"方言"を極力使用しないよう、プログラムの書き換えをサポートしていくもの。方言が使用されている割合や、業界標準SQL構文となる「ANSI SQL」に書き換える場合の問題点、予想工数などを事前に洗い出すという。山中氏は、「安定稼動しているシステムにおいて急いで移行したほうが良いとは思わないが、将来に備え、数年のスパンで徐々に対応を進めていくべき。方言を減らすことは、来るべきクラウド時代におおいに役立つはず」とコメントした。

HP SQL標準化アセスメントサービスの概要

そのほか、HPはデータベース提供ベンダー5社とともに「データベース改革推進アライアンス」を発足したことも発表。エンタープライズDB、日立製作所、日本マイクロソフト、SAPジャパン、サイベースが名を連ねている。今後も引き続き、アライアンスへの参加企業を増やし、アウトプットも積極的に出していく計画になっている。

データベース改革推進アライアンスのメンバー。左から、エンタープライズDB 日本/韓国/中国 代表の藤田祐治氏、日立製作所 情報・通信システム社 ソフトウェア事業部 IT基盤ソフトウェア本部 DB設計部 部長の大田原実氏、日本HP 執行役員 エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括の杉原博茂氏、日本マイクロソフト 業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部 本部長の梅田成二氏、SAPジャパン バイスプレジデント チャネル営業統括本部長の小関高行氏、サイベース 代表取締役社長の早川典之氏