Infineon Technologiesは、自動車における電子部品利用割合の向上によるシステムの複雑化などの緩和を目指すことを目指し、同社のほか、AUDI、ELMOS Semiconductor、カールスルー工科大学付属情報技術研究センター(FZI)、Robert Bosch、BMW(関連プロジェクトのパートナー)の計6団体により、包括的なソリューションの考案を目指す「RESCAR 2.0」研究プロジェクトを発足させたことを発表した。

RESCARは、「電気自動車(EV)分野のアプリケーション向け新型電子部品の堅牢設計」のドイツ語の頭文字をとったもので、最終的な目標としてはEVの部品の信頼性と堅牢性の向上を目指すというもの。同プロジェクトは、「STROM」(「EV向け主要技術」のドイツ語の頭文字)として知られる資金拠出プログラムの一環として、独連邦教育研究省(BMBF)より約650万ユーロの援助を受けるほか、支援団体としてベルリンのフラウンホーファー信頼性・マイクロインテグレーション研究所(IZM)、ドレスデンのフラウンホーファーIIS(集積回路研究所)、ブレーメン大学、ドレスデン工科大学、ハノーバー大学、テュービンゲン大学が参加し、参加団体による投資を合わせた共同研究の投資総額は、今後3年間で約1330万ユーロが予定されている。

RESCAR 2.0は、EVシステムの電気・電子部品の全体的な開発プロセスを最適化することで、システム全体の堅牢性と信頼性を最初から予測可能にすることを目指した開発が行われ、プロジェクトの1つとして、新型部品の要件確認を実施し、処理する方法の策定も計画されている。また、想定されるアプリケーションの部品の適合性の研究を目的とした、ロバスト性解析も実施される予定で、研究対象の部品としては、低電圧帯のアナログ/デジタル回路や高電圧ミクストシグナルIC、センサシステムなどが予定されている。

なお、ドイツ連邦政府では、国内の路上で走行するEVの台数を2020年までに100万台とし、EVの市場・供給元として、世界をリードする存在になることを目標に掲げており、同プロジェクトは、従来型のガソリン車に匹敵する性能、安全性、利便性をEVで実現することを目指した役割の一端を担うこととなるという。