計測機器ベンダAgilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーはガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)の新製品「Agilent 220イオントラップGC/MS」および「Agilent 240イオントラップGC/MS」を発表した。

イオントラップGC/MSの外観

これらのシステムは、イオントラップ型質量分析装置の柔軟性(複数のイオン化・スキャンモード)と、堅牢な性能と先進のキャピラリ・フロー・テクノロジーで実績のあるガスクロマトグラフ「Agilent 7890A GC」とを組み合わせたもの。

Agilent 240はフルスキャンモードでピコグラム以下の検出限界を実現しており、複雑な夾雑物中においても信頼性の高い定量・定性が可能なシステム。MS/MS分析、MSn分析にも対応しており、夾雑物の影響を抑えて、詳細な構造情報を得ることが可能だ。EI(電子イオン化法)、CI(化学イオン化法)、MS/MS分析は、1回の分析の間に切り替えて実行することが可能で、複雑な夾雑物中でも優れた選択性を得ることができる。

一方のAgilent 220は、低価格のGC/MSで柔軟なイオン化・スキャンモードを求めるラボ向けの製品。具体的には、教育機関のラボや、堅牢で高速なルーチン分析が求められる地下水、廃水、揮発性有機化合物分析などに適しており、まずはEIのみを購入し、必要に応じてCIやMS/MS機能を追加することが可能だ。

これらのイオントラップMSは、同社のAgilent 7890A GCと組み合わさることで、複雑な試料や微量成分の分析に威力を発揮することができるようになるほか、高速なオーブン冷却、信頼性の高いバックフラッシュにより、より高い生産性も実現している。

また、「Agilent 7693A 自動液体サンプラ」を使用することでさらなる生産性と柔軟性を高めることができると同社では説明している。このサンプラは、高速注入を実現しているほか、エア・ギャップを用いたサンドイッチ注入などの高度な機能も搭載している。

なお、2システムともにすでに受注を開始しており、2011年5月からの出荷開始を予定している。