日本インフォア・グローバル・ソリューションズとヴォコレクトジャパンは4月18日、物流センター向けに音声を活用したソリューションでの協業を開始すると発表した。これにより、日本インフォアの倉庫管理システム「Infor SCM Warehouse Management」とヴォコレクトの音声認識技術のリアルタイム連携が実現される。
日本インフォア・グローバル・ソリューションズ社長の村上智氏は、ヴォコレクトとの協業の狙いについて、「倉庫管理システムでは現在、実行系システムにおいて、『何が・どこにあって・誰が・何をしているか』をリアルタイムで把握し、問題がある場合は即座に対応できることが求められている。今回の協業によって、ハンズフリーのオペレーションを実現することで、生産性の向上と情報制度の両立、作業員研修時間の短縮と定着率の向上を可能になる」と説明した。
ヴォコレクトジャパン社長の内田雅彦氏は、「日本の物流システムは、『他の基幹システムと連携が図られていない』、『生産性を犠牲にして正確性を担保している』、『現場レベルでのデータの把握が難しい』といった課題を抱えている。両社のシステムを連携することで、こうした課題を解決していきたい」と述べた。
両社は、音声ソリューションの持つ優位性を最大限に活用できる物流センターでの業務(ピッキング、仕分け、入出荷、検品、棚卸、補充、棚移動など)の負荷軽減と効率化に向けて、提案を行っていく。両社の協業はグローバルでは7年以上の経験があり、これまでに50社以上の実績を上げている。そのため、顧客はグローバル規模のサービスとサポートを受けることが可能だ。
具体的には、今回の協業によって日本インフォアの倉庫管理システム「Infor SCM Warehouse Management」とヴォコレクトの「Voccollect Voice」のリアルタイムでの連携が行われる。これにより、従来のハンディ端末を用いていたら、ディスプレイに表示された指示を確認したり、作業結果やコマンドを入力していたところ、音声による指示で行動したり、音声によって結果報告したりすることが可能になる。「欠品があった場合も、このリアルタイムで問い合わせを行い、在庫調整も行える」と内田氏。
今回の協業により、「コンピテンシー・センターの設立」、「共通パートナーの開発」「共同マーケティングの展開」といった施策が展開される。コンピテンシー・センターは今年6月からの運用予定となっており、統合デモンストレーション環境を備えているほか、両社コンサルタントによる顧客サイト・アセスメントやパートナー企業に対するトレーニングなどが提供される。