米Microsoftが4月12日-14日(米国時間)の日程で、米ラスベガスにおいてウエブ開発者カンファレンス「MIX11」を開催する。
過去2年のMIXをふり返ると、2009年にMicrosoftは同カンファレンスでInternet Explorer 8をリリースし、メディアサポートを大幅に強化したSilverlight 3を説明した。2010年にはInternet Explorer 9と、Windows Phone 7、Silverlight 4 RC版などを披露。同社はここ数年、Windowsプラットフォームのメリットを活かしながら、オープンなWeb標準のサポートやクラウド戦略、モバイルへの展開を進めており、MIXの歴史にはその足跡が刻まれている。そして今年、同社はHTML5時代の幕を開ける最後の一ピースと呼ばれたInternet Explorer 9を3月にリリース(日本語版提供日は4月26日)した上でラスベガスに乗り込んでくる。今はWindows 7世代の技術が出揃った節目の時期であり、今年のMIXからは何がとびだしてくるのか分からない。Webとクラウド、モバイルデバイスが台頭する時代を同社がどのように切り開くのか、その舵取りが見えてくるカンファレンスになりそうだ。
今年のキーノート(初日と2日目)にはInternet Explorer開発チームを率いるDean Hachamovitch氏、Windows Phone担当のJoe Belfiore氏、.NET Developer Platformの責任者であるScott Guthrie氏が登壇する。すでにInternet Explorer 9をモバイルに展開する計画が明らかにされており、Windows Phone 7のアップデートの詳細を含めて、iOS、Androidに続く第3のモバイルプラットフォームの今後の展開に注目が集まる。今月4日(米国時間)には、Walid Abu-Hadba氏とGuthrie氏がSilverlightの公式ブログを通じて、MIXでSilverlight 5ベータ版を説明することを明らかにした。RIAとWeb標準サポート、それぞれのメリットを生かして相乗効果を生み出す同社の戦略も注目点の一つとなる。
また、メディア、ビデオ、クラウドサービス、開発ツール、デバイス、ゲーム、そしてRIAからWeb標準まで、幅広いトピックをカバーする技術セッションとパネルセッションが用意されている。これらにはMicrosoftのスタッフだけではなく、150人を超えるWebコミュニティのリーダーが参加する予定で、MIX期間中はネットの今とこれからが活発に議論される3日間になる。現地でMIXに参加できなくてもこうした議論に参加できるように、ネットを通じた情報公開が積極的に行われるのもMIXの特徴だ。今年もキーノートのライブキャストが行われるほか、カンファレンスセッションもおよそ24時間後には公開される見通しだ。さらに今年は、日本のWeb開発者やデザイナー向けに日本語公式サイトMicrosoft MIX11 JapanやFacebookページが用意されている。