Texas Instruments(TI)は、同社の16bit MCU「MS430ファミリ」に、スマートグリッドなどに向けた新シリーズ製品を追加したことを発表した。

今回発表されたのは「MSP430AFE2xxシリーズ」で、プログラマブルな単相アナログフロントエンドと様々な通信I/Fを集積していることを特徴とする。最大12MHz駆動の16bit CPUコアに最大16KBのFlash Memoryと512BytesのSRAMを搭載するほか、SPI/UART I/F経由で外部のProgrammable Memoryを利用することも出来る。

「MSP430AFE2xxシリーズ」のパッケージイメージ

内蔵するアナログフロントエンドを利用することで、最大2400:1のダイナミックレンジと0.1%の精度を実現可能としている。またアンチタンパ性を備える、独立した3つの24bitΣΔコンバータが内蔵される。他に16bitタイマとウォッチドッグタイマなども実装されており、これらを組み合わせることで省電力かつ高精度な電力メータやホームエレクトロニクス、省電力システムなどを構築することが可能としている。

また、複数のツールと評価/開発ボード類が提供されている。RF通信可能なMSP430 Energy Watchdog demoは、電力消費量をLCDが搭載された様々なアプライアンスに表示できる。Programmable MSP430AFE EVMにMSP430AFE2xxを組み合わせれば、較正済の電力量メータのテストに利用できる。またMSP-TS430PW24ターゲットボードとMSP-FET430U24フラッシュエミュレーションツールを組み合わせれば、MSP430AFEデバイスのプログラミングやデバッグが可能である。またコンパイラやデバッガを含むCode Composer Stuido IDEを無償でダウンロードできるほか、IAE Embedded Workbenchも利用できる。

MSP430AFE2xx MCUは0.80ドル(1000個の場合)からで、既にオーダー可能である。MSP-TS430PW24スタンドアロンターゲットボードは75ドル、MSP-FET430U24フラッシュエミュレーションツールはソフトウェア及びターゲットボード込みで149ドルとなっている。