Thomson Reutersは、同社が提供する学術研究・引用データ情報ソース「Web of Knowledge」の新バージョンを発表した。
新バージョンでは、図書館員や研究者などから寄せられた意見を反映させ、従来の機能性向上とともに新機能が追加されており、その結果、より直感的に利用することが可能となったと同社では説明している。
主な新機能は5つ。1つ目は研究者向けの無料コミュニティサイト「ResearcherID(RID)」がWeb of Scienceに搭載されたこと。これにより、個々の研究者がRIDで登録したIDでWeb of Science上のデータ検索が可能になるほか、ダイレクトリンクにより、RID上の研究者プロファイル情報や研究業績を簡単に閲覧することができるようになった。
2つ目は、検索結果一覧画面での論文抄録表示が可能となったこと。これにより論文抄録が1クリックで閲覧できるようになる。
3つ目は、検索結果の絞り込みと保存機能で、Web of KnowledgeにはWeb of Scienceをはじめ、MedlineやINSPECなど医学系、工学系、バイオ系、様々なデータベースが搭載されているが、同機能により検索結果のデータベースごとの絞り込み、複数のデータベース検索結果を一度にMarked Listに保存することができるようになった。
4つ目は、分析・引用レポートの作成で、Marked List 保存のデータセットなど、自分で作成した検索集合を元にしたAnalyze 機能での分析、引用レポートの作成が可能となった。
そして5つ目はデータベースの追加で、ライフサイエンス系データを包括するBIOSIS Citation Indexと中国の論文情報Chinese Science Citation Databaseの引用索引データベースが加わったことにより、包括的・網羅的な引用情報源が提供可能になったとしている。
なお、現在研究者などがが利用しているバージョン(Version 4)は引き続き2011年末まで利用可能となっており、一定期間を経たのち、新バージョンに切り替わる予定だと、同社では説明している。