三菱電機は、シンガポールSingTelと台湾中華電信社の共同調達により同社が製造した通信衛星「ST-2」が製造完了後、同社鎌倉製作所から出荷し、4月6日に射場である南米・仏領ギアナの宇宙センターに搬入したことを発表した。今後、打ち上げに向けた準備作業を進めるという。
ST-2は、同社の標準衛星バス「DS2000」を使用した6機目の衛星にあたり、設計寿命は15年以上で、中近東、中央アジア、インド、東南アジア地域向けの通信サービスを担う。静止軌道位置は東経88度。2008年8月にギアナ宇宙センターから打ち上げた三菱電機製商用通信衛星「スーパーバードC2」と同様に、世界最大級の輸送機アントノフによって仏領ギアナまで輸送された。
なお、三菱電機は宇宙航空研究開発機構(JAXA)が推進する国内衛星開発プロジェクトの半数近くに主契約者として参画しているほか、440以上の海外衛星プロジェクトに衛星搭載機器の供給などで参画しており、ST-2で用いられたDS2000も国内外の衛星市場において着実に実績を積み重ねており、同社では今後も、DS2000をベースとした商用衛星の販売拡大を目指していくとしている。