トヨタ自動車とMicrosoftは4月6日 (米国時間)、次世代テレマティクスのプラットフォーム構築に向けた戦略的提携を発表した。トヨタが2012年に市販予定のEV (電気自動車)およびPHV (プラグインハイブリッド車)向けのテレマティクスサービスの展開から、MicrosoftのWindows Azureを採用。2015年をめどに、共同でグローバルクラウドプラットフォームを構築する。
次世代テレマティクス向けグローバルクラウドプラットフォームの構築は、トヨタの顧客向けのITサービスを手がけるトヨタメディアサービスがトヨタから請け負う。これに伴いトヨタメディアサービスが10億円の増資を実施し、これをトヨタとMicrosoftが引き受ける。それぞれの出資額など詳細は今後調整する。
トヨタは3月に発表したトヨタグローバルビジョンの中で「未来のモビリティ社会をリードする」「地球環境に寄り添う意識を持ち続ける」などの目標を掲げており、Microsoftとの提携は、その具体策の一つとなる。同社は現在、地球温暖化を防止する省エネルギー社会の実現を目指したスマートグリッドの取り組みの一環として、人と車と住宅をつないでエネルギー消費を統合的にコントロールするシステム「トヨタスマートセンター」のパイロットプログラムを日本国内で実施している。将来的には、Microsoftと共同で構築するのグローバルクラウドプラットフォームを活用してトヨタスマートセンターのグローバル展開を図るという。
MicrosoftのSteve Ballmer CEOは「TMC (トヨタ自動車)が世界中の自動車にテレマティクスサービスを提供するのに必要なエンタープライズグレードでスケーラブルなプラットフォームをWindows Azureが構築することで、クラウドのさらなる可能性が実証される」とコメントしている。