安川電機は4月6日、関東地区におけるロボット事業の強化を目的に、埼玉県さいたま市に関東ロボットセンタ(仮称)の開設を計画していることを発表した。
同社が製造、販売している産業用ロボット「MOTOMAN(モートマン)」は、国内外の多くの生産設備で採用されているが、同社ではロボットによる自動化の可能性を求め、さらに積極的な情報発信を行い、新たなカスタマの開拓やカスタマの価値創造を支援するために、同センタの新設を決定したと説明する。
同センタでは、「来て・見て・触って ロボット体験」をコンセプトに、カスタマに実機を使ったデモやテストを通じて、これまで以上の同社ロボットへの理解を高められる設備となる予定。同センタが稼動することで、今後、自動化の拡大余地が高い、食品、医薬品、化粧品市場などハンドリングロボットの市場開拓に注力できるようになるという。
また、同センタではロボットを使った自動化設備の設計・製作をユーザーから請け負うシステムインテグレータ(SI)への情報提供や教育などのサポート体制も強化する方針で、SI専用の施設を設けることで、実際に同社のロボット製品を使用し、各種機能を理解してもらい、SIとの関係強化を図っていくという。
さらに、同センタを活用することで、カスタマニーズに対する即応力を高めることが可能となり、新市場の開拓を加速し、受注拡大を図るとともに、営業機能も集約させることで、営業員、技術員一丸となった提案活動、技術相談、実機を使ったソリューションテスト、各種教育などのビフォアサービスも強化も図れるようになるとしている。
加えて、ビフォアサービスを中心とした対応から、カスタマニーズや将来構想などの情報を収集し一元化することで、開発部門との情報共有が行えるようになり、情報の収集・蓄積、分析、活用といったマーケティング機能の強化を製・販・技一体となって推進できることから、高度化・専門化するカスタマニーズを適切に反映した製品開発が行えるようになり、自動化の拡大余地のある産業分野への提案・拡販などロボット適用分野の拡大が狙えるようになると説明している。
なお、竣工は2011年8月下旬を予定しており、稼働は2011年9月21日を予定。敷地面積は2119m2、建築面積835m2、延べ床面積は2518m2となっており、同社が新規事業として取り組んでいる環境エネルギー事業の一環として屋上に太陽光発電設備が設置される予定。また、ロボット部品だけでなく、サーボモータ、サーボパックやインバータなど、同社がグローバルで高いシェアを有するモーションコントロール製品の展示なども行うのほか、開設後は、一般公開日などを設けることで地域貢献の活動にも参加していく方針としている。