Infineon Technologiesは、40~100GHz(ミリ波帯)の高周波帯システム向けの高集積3Dシステム・イン・パッケージ(SiP)ソリューションの開発に向けた、設計要件の策定の基礎となる研究プロジェクト「V3DIM(design for vertical 3D system integration in millimeter-wave applications)」に参加したことを発表した。
同プロジェクトは、独連邦教育研究省(BMBF)が資金を提供するもので、業界と科学研究の分野から5団体のパートナーが参加し、3D SiP技術をチップやパッケージの製造で活用する方法を研究しようというもの。プロジェクトのパートナー5団体は、ドレスデン、ミュンヘン、ベルリンのフラウンホーファー研究所(主幹事はドレスデンのフラウンホーファーIIS(集積回路研究所))、SYMEO (産業用アプリケーション向けのセンサ部品および包括的な位置検出・距離測定システムを生産)、Siemens(Corporate Technology部門)、エアランゲン=ニュルンベルク大学(フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルク:FAU)のエレクトロニクス技術研究所、およびプロジェクトマネージャーのInfineonとなっており、プロジェクトの完了は2013年8月末を予定している。
研究は、小型化、パフォーマンス(電力損失、信号品位、ノイズ、コスト)、エネルギー効率、信頼性が重視され、パートナー5団体が、ミリ波アプリケーション分野の垂直3Dシステム統合の課題に応えるため、新たな設計方法やモデル、SiP技術の開発を行い、これによりSiPアプリケーション向けミリ波帯の現在および将来の技術の最適な活用が促進される見込みとプロジェクトでは説明しており、将来的には3D SiP設計の開発期間は、これまでの3分の1以上に削減されるものになるとしている。
なお、同プロジェクトのコスト総額は、最大680万ユーロで、うち約40%が、業界のプロジェクト・パートナー3団体の資金提供によるものとなっている。また、研究プロジェクトは、ドイツ連邦政府のハイテク戦略の一環として運営されている「Information and Communications Technology 2020プログラム(ICT 2020)」の下、BMBFより3年間で約410万ユーロの資金提供を受ける予定。
ICT 2020プログラムでは、その目的の1つに、包括的な実現技術としてのマイクロチップの設計を促進し、これまでにない画期的なアプリケーションを切り開き、ICT部門でのドイツの主導的地位を強化・拡大することがあり、同プロジェクトは、垂直3Dシステム統合の補完的な側面に取り組む「European CATRENE 3DIM3v」プロジェクトと連携して行われていくこととなっている。