Freescale Semiconductorは、厳しい車載環境で鉛蓄電池の電圧、電流、および温度を計測してバッテリの状態を判定するインテリジェント・バッテリ・センサ(IBS)「MM912J637」を発表した。同製品は、すでにサンプル出荷を開始しており、量産開始は2011年9月を予定している。

Freescaleのインテリジェント・バッテリ・センサ(IBS)「MM912J637」

同製品は、同社の16ビットマイクロコントローラ「S12」とSMARTMOSアナログ制御ICを組立時の光学検査が可能なWettable flanks technologyによる7mm×7mmの小型QFNパッケージに統合したもので、ボード上の実効的な占有空間を縮小することが可能となる。

また、ESD(Electrostatic Discharge)、EMC(Electromagnetic Compatibility)要求において高い車載基準を満たし、ゼロ・ディフェクトの製品品質を達成できるよう設計されているほか、車載規格「AEC-Q100」の要件を満たす-40℃~+125℃での動作に適合しており、ターゲット・アプリケーションでの消費電力の削減が実現できる。 同製品は、ローカル・インターコネクト・ネットワーク(LIN)を使用して通信を実行するほか、各16ビットの2チャネルの2次オーダーΣΔ型A/Dコンバータ(ADC)によりバッテリの電圧と電流を同時に計測し、もう1つの16ビットADCにより温度を計測する。IBSは最悪の条件でも高分解能の正確な監視を行うため、バッテリの劣化状態、充電状態、および作動状態を適切に予測することが可能であり、これらの指標値は、車載規格準拠のLINネットワークにより定期的または要求に応じて通信される。

また、バッテリの負極に外付けされたシャント抵抗により電流を正確に計測し、正極に直列に接続された抵抗によりバッテリ電圧を正確に計測することが可能なほか、バッテリの取付けブラケットに組み込まれた統合温度センサによりバッテリ温度を正確に計測することが可能となっている。