三菱重工業と三菱航空機は4月5日、次世代のリージョナルジェット機であるMRJ(Mitsubishi Regional Jet)の組み立てを開始した。最初に行われた作業は、操縦室の天井部分にある乗員用非常脱出扉周囲の井桁構造の鋲打ち。

個々の部品の製作は昨秋より始まっており、今回の組立開始は、同機の開発を進めている三菱航空機からの発注を受けて三菱重工が着手したもの。三菱重工は今後、MRJの胴体、主翼、尾翼などの主要構造部品を製造するほか、多数のパートナー企業が現在製造を進めている各部位が仕上がるのを待って、機体の最終組立と艤装作業に当たる。

MRJの組み立てを開始した三菱重工飛島工場では同日、「MRJ鋲打ち式」が開催された。式典には、三菱航空機から江川豪雄社長らが、三菱重工から石川彰彦航空宇宙事業本部民間航空機事業部長らが出席した

4日には、三菱航空機がMRJの欧州地域での販売を加速すべく、オランダ王国アムステルダム市に同社100%出資の現地法人を設立し、5月1日より営業活動を開始すると発表した。

国産初のジェット旅客機となるMRJは2012年の初飛行を目指している。

昨年9月に行われた製造開始を宣言する「MRJメタルカット式」の様子。三菱航空機の江川豪雄社長らが出席した