日本ヒューレット・パッカードは4月4日、スケールアウト型サーバシステム「HP ProLiant SL6500 シリーズ」のトレイ型サーバ新モデルを発表した。発表されたのは3機種で、いずれもオープンソースの分散ファイルシステム「Apache Hadoop」の利用を想定し、ディスク容量/メモリ/CPUなどの最適化を施している。

今回発表された新機種は、「HP ProLiant SL160s G6」、「同 SL165s G7」、「同 SL335s G7」の3つ。各サーバのスペックは以下のスライドのようになっている。

新機種のスペック

HP ProLiant SL160s G6 / SL165s G7の特徴

HP ProLiant SL335s G7の特徴

最大の特徴は、ディスク搭載密度を向上させた点。いずれも従来モデルに比べて約2倍の最大ディスク容量を誇る。また、海外でのHadoop導入案件で培ったノウハウをベースにCPUやメモリ容量についても最適化を施しており、ディスクを最大まで積んでもパフォーマンスを落とさない設計になっている。

日本HP サーバーマーケティング統括本部 インダストリースタンダードサーバー製品本部 Service Provider & HPCビジネス市場開発の中井大士氏

日本HP サーバーマーケティング統括本部 インダストリースタンダードサーバー製品本部 Service Provider & HPCビジネス市場開発の中井大士氏は、「分散ファイルシステムというと安価なサーバを大量に並べるイメージをお持ちかもしれないが、パフォーマンスを考慮すると、当然、CPUやメモリ容量によって処理できるデータの量は変わってくる。スペックの低いCPUや少ないメモリでは、ディスクを積みすぎると無駄になってしまう」と説明。こうした問題を回避するサーバとして上記3製品を準備したことを強調した。

日本HPでは、今後、Hadoopを活用した分散ファイルシステムの構築を支援するべく、東京、大阪、名古屋の3つの事業所にHdoopのデモ環境を設置。パブリッククラウドを想定した拠点間連携などの検証できる環境を用意する。

Hadoopのデモ環境を準備する

日本HP テクノロジーコンサルティング統括本部 データセンターソリューション第一本部 コアテクノロジー部の水野浩典氏

加えて、HP Open ServicesにおいてHadoop導入コンサルティングサービスも提供し、検討/設計から開発、運用段階まで、全工程にわたってHadoopを中心としたシステムの導入を支援できる体制を整備する。

さらに、パートナー/SIベンダーが持つ各種のソリューションをHadoopに対応させるための支援も進めていく考えで、こちらに関しては、すでに同社がHadoop対応を完了させているシングルサインオンソリューション「HP IceWall SSO」のノウハウを活用していくという。

HP ProLiant SL335s G7