富士通セミコンダクター(FSL)は、携帯電話やパソコン、デジタルテレビやSTBなどに搭載する地上波デジタル(地デジ)放送向けチューナモジュール製品を拡充し、新たに受信チューナー製品「MB86A35」など6製品を、4月より順次発売することを発表した。
「MB86A35」は2011年7月のアナログ停波後の周波数を利用して実施される携帯電話向けの新しい放送サービスである「マルチメディア放送」に対応したモジュール。ISDB-T(ワンセグ/フルセグ)やマルチメディア放送(ISDB-Tmm)のほか、デジタルラジオ(ISDB-Tsb)、欧州地デジ(DVB-T)、緊急警報放送、6/7/8MHzマルチバンドなどに対応している。4月からのサンプル出荷を予定しており、サンプル価格は1000個時で2000円/個となっている。
「MB86A29M」は、携帯電話向け6/7/8MHzマルチバンド対応ワンセグモジュールで、ISDB-T圏すべての海外ワンセグ携帯に対応している。こちらも4月からのサンプル出荷を予定しており、サンプル価格は500円/個(1000個受注時)となっている。
「MB86A30V」は、SAWフィルタなどを内蔵しながらも4.7mm×5.2mmのモジュールサイズを実現した小型ワンセグモジュール。やはり4月からのサンプル出荷を予定しており、サンプル価格は4000円/個(同)となっている。
「MB86A51」は、車載向け4ダイバシティチューナモジュールで、19mm×19mmのモジュールサイズながら、高い移動受信特性とマルチ規格対応を実現、ISDB-T、マルチメディア放送、デジタルラジオ、欧州地デジ、6/7/8MHz マルチバンド、 緊急警報放送などに対応する。サンプル出荷は2011年7月からを予定しており、サンプル価格は4000円/個(同)としている。
「MB86A22」は、デジタルTV/STB向けフルセグOFDM LSI で、6/7/8MHzマルチバンド、緊急警報放送、マルチ規格、ISDB-T、欧州地デジに対応している。サンプル出荷は4月からを予定しており、サンプル価格は500円/個(同)となっている。
そして「MB86H615」は、デジタルTV/STB向けHDデコーダLSIでMB86A22とのチップセットソリューションとなる。低価格ソリューションの実現を目的としたもので、安価なQFP256ピンパッケージで提供しているほか、1Gビット以上の外付けDDR2メモリ1個のみでの動作が可能なほか、2層PCBでの実装が可能なため、基板コストの削減が可能。また、ヒートシンクも不要なため部品コストを削減することも可能だ。4月からのサンプル出荷を予定しており、サンプル価格は2000円/個(同)としている。
なお、同社では6製品合計で、2013年度までに300億円の売り上げを目指すとしている。