Agilent Technologiesは、RF/マイクロ波システムの設置・保守・障害解析や、現場におけるスペクトラム・モニタや妨害波測定などに適したハンドヘルド・スペクトラム・アナライザ(HSA)「N9344C/N9343C」を発表した。

N9344Cは1MHz~20GHz、N9343Cは1MHz~13.6GHzに対応したHSA。2製品とも9kHzまで同調可能であり、航空・宇宙・防衛、マイクロ波、衛星通信、ワイヤレス通信、放送、電波監視、汎用スペクトラム解析などさまざまな業界での利用に対応する。

最大20GHzまで対応するN9344C

また、2製品ともに恒温制御でファンのない設計のため、高い防水性、防塵性を実現しており、雨の日でも屋外で使用することが可能なほか、LCD輝度自動調整機能や光るキーパッドを採用しており、昼夜を問わず画面や操作ボタンが見やすくなる工夫が施されている。

最大13.6GHzまで対応するN9343C

さらに、内蔵GPSレシーバとGPSアンテナを搭載しており、いつどこで測ったデータなのかを明確にすることができるほか、専用ソフトウェアにより、容易にスペクトラム・モニタを行ったり、妨害波の監視をしたりすることができる。

加えて性能としては、クラス最高のRF性能(-155dBm/Hz 表示平均雑音レベル、最小掃引時間2ms未満)により、高い確度の測定を高速で実現することができるほか、1ボタン測定(隣接チャネル漏洩電力、占有帯域幅、チャネルパワーなど)やAM/FM変調解析機能により、信号品質の評価を行うことも可能だ。このほか、同社のUSBパワーセンサを接続することで、高確度のパワー測定にも対応できるほか、内蔵トラッキング・ジェネレータ機能によるスカラ・ネットワーク解析や、スペクトログラム機能よって過去にさかのぼってのスペクトラム表示も行うことも可能となっている。

測定セットアップの時間を95%削減することができる独自ソフトウェア「タスク・プランナー」も搭載しており、これを用いることで、ソフトウェアでテスト手順をあらかじめプログラムしておき、現場では簡単に1ボタンで測定を行うことができるようになる。最大20個の測定を続けて実行することが可能であり、結果の保存やレポート作成も自動化することができたり、電子メールやUSBメモリなどを使って、タスクプランを共有することもできるようになる。

なお、すでに2製品ともに販売を開始しており、価格はN9344Cが211万4261円(税別)、N9343Cが179万5757円(同)となっている。