東芝は3月30日、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の被災者向け仮設および復興住宅向けに、太陽光発電システムおよび省エネ型家電機器を100世帯分、無償で提供することを決定した。

具体的には、住宅用太陽光発電システムおよび蓄電池システムと、液晶テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、LED照明といった省エネ家電機器を組み合わせることで、今後想定される電力需要の逼迫の中でも、家庭での最適なエネルギー管理が可能なシステムとして提供するとしている。

同社では、被災地での仮設住宅、復興住宅に関する行政の具体的な計画に併せて、同システムを提供していくとともに、省エネ家電機器については、行政からの要請に基づき、さらに提供することを検討していくとしている。

また、同社はイタリアの電力送変電(T&D)および電力・産業用太陽光発電プラント(PV)のエンジニアリング会社であるAnsaldo Trasmissione & Distribuzione(T&D)の株式67%を取得したことも発表している。

Ansaldoは、1853年に設立されたイタリアの重工業グループであるAnsaldoグループ(現Finmeccanicaグループ)の一部門として1984年から事業を開始したエンジニアリング会社。2007年にFinmeccanicaグループから離れた後も、欧州、北アフリカを中心にT&DプロジェクトやPVプラントでの実績を積み重ねてきており、東芝は同社を通じて、欧州、北アフリカにおけるT&DおよびPV事業に本格的に参入することとなる。

欧州・アフリカ市場におけるT&D市場の規模は、世界市場の20%近くを占めており、中国に続く2番目の市場規模。また、欧州におけるPV市場は世界市場の80%近くを占めており、今後も世界最大の市場であり続けることが見込まれているほか、今後はスマートグリッドプロジェクトなどの新規市場の拡大も期待されていることから、今回の買収を決定したという。

なお、東芝では今後も、T&DおよびPV事業のグローバルな展開を図り、事業拡大に繋げていくとしている。