3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震での被災者支援を行うボランティアやNPO法人141団体は3月30日、連携して被災者支援を行うためのネットワーク「東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)」を設立した。
同ネットワークは、阪神淡路大震災や中越地震などの被災者支援ボランティアやNPOの活動を通じて、図らずも活動自体が被災地域に負担をかけたり、支援者が活動中に怪我をしたり、心に傷を負ったりした事態を今回の震災では最小限に食い止めること、ならびに個々の被災者支援ボランティアやNPO、そしてそれらと連携、協力する諸団体、機関が最大限の力を発揮し、震災からの一日も早い復旧、復興を目指すことを目的とした呼びかけに応じたボランティア団体やNPOが集まってできたもの。
3月30日時点では141団体としているが、今回、都合により参加できず後で参加することを表明している団体や、すでに参加を表明している団体と連携しているが、まだ参加していない団体などを考えると、今後は相当数の団体が加入することが見込まれるという。
これに合わせて同ネットワークのWebサイトも正式公開された。現在は立ち上げたばかりということで、フェーズ1の段階だというが、ボランティアを行いたい人向けのガイドラインや各都道府県別の支援物資の受付窓口、日本赤十字社などへの義援金や被災地支援を行う団体への活動支援金の窓口のほか、全国の避難先一覧、被災地域および隣接地域などの被災地向け情報などを見ることが可能となっている。
また、Twitterアカウント「@civil_i」にて、各種の情報発信を行っており、順次情報を公開していく予定としている(推奨タグ:#311shien、#volunteerjp)ので、今回の震災に対し、何かボランティアをしたい人、義援金をどこに送ったらよいかわからない人などは、一度、同Twitterアカウントもしくは同Webサイトを確認して、ガイドラインなどを確認したりするのが良いだろう。
同Webサイトは現在フェーズ2に向けて開発を進めており、これにより、現在の一般向け・ネットワーク概要説明というスタイルから、「支援者向け」および「支援者の支援者」に向けた情報提供に特化した形に改変される予定。主に、支援者が活動を行うのに役に立つツールやガイドラインの類の配布、支援状況のマッピングページなどを掲載する計画で、その後、フェーズ2で実装した情報の更新と、時期や地域によって異なってくる支援者や団体のニーズに合わせてフェーズ3に移行、メールや参加者向けメーリングリストなどの情報環境の保守・運用を行っていく予定。
メーリングリストはさまざまなチームに分かれてやり取りされ、各地域での支援状況や物資などの不足情報、政府や自治体とのやり取りなどの情報といったものが行われ、情報分析や整理に役立てられることとなる。
なお、代表世話団体の内の1つである特定非営利活動法人 レスキューストックヤード代表理事の栗田暢之氏は、「連携して集まる、というのは聞こえが良いが、具体的にどうしていくのかは、まだまだ課題がある。できるだけ多くの人がつながるネットワークを作る努力をしていく。将来、歴史的評価を受けることになるとき、あの時多くの団体が集まったが、それだけで何もしなかったといわれないようやっていく」と語り、阪神淡路大震災以降で培ってきた災害支援のノウハウと課題を多くの人、団体の協力という形で乗り越えていきたいとした。