IDC Japanは、国内ルータおよびイーサネットスイッチ市場の2010年第4四半期(2010年10~12月)および2010年の実績値を発表した。それによると、2010年第4四半期の国内ルータおよびイーサネットスイッチの市場規模は、ルータが259億1,000万円、イーサネットスイッチが434億9,900万円で、それぞれ前年同期比で9.1%、16.8%の増加となっている。
IDC Japanによれば、要因として、NTTのNGNサービス向け需要が持続していることに加え、移動体通信事業者のLTEサービス用設備投資が同四半期の通信事業者向け市場を押し上げたほか、中小規模のネットワーク構築や更改によるルータ/イーサネットスイッチ需要が市場を押し上げたことが考えられるという。
2010年第4四半期のベンダーシェアは、ルータ市場ではシスコシステムズ、ジュニパーネットワークス、アラクサラネットワークスが上位3社で、SOHOルータに強いヤマハが続く。一方、イーサネットスイッチ市場は、シスコシステムズが40%以上のシェアポイントを獲得し1位を維持し、2位にはFixed Port型レイヤー2スイッチ製品の販売が堅調だったアライドテレシスが入り、富士通、日立電線、アラクサラネットワークスと続く。
また、2010年通年のルータ市場は1,108億円(コンシューマー向けは除く)、イーサネットスイッチ市場は1,664億円といずれも前年を上回り、IDC Japan コミュニケーションズグループ シニアマーケットアナリストの草野賢一氏は、「通信事業者向け市場は、NTTのNGN向け投資の一巡に伴って、需要の中心がモバイルネットワークやその他の通信サービス向け投資に移行してきている。NGN向け売上の減少を、モバイル向けを中心とした需要で補えるかが鍵である」と述べている。