シマンテックは3月30日、大規模環境向けのバックアップ製品最新版となる「Symantec NetBackup 7.1」(以下、NetBackup 7.1)を発表。4月5日から国内での提供を開始する。
今回のアップデートは各種機能の強化が主なテーマとなっている。
VMware環境向けの新機能「Linux シングルファイルリストア」によって、Linuxベースの仮想マシンバックアップイメージ(VMDK)からのファイルやフォルダといったデータを直接復元することが可能になったほか、「仮想マシンインテリジェントポリシー」により、仮想マシンの移動状況の検出や保護といった作業について、運用ポリシーに従った形での自動化を実現する。この機能は「VMware vMotion」や「VMware Storage VMotion」によるライブマイグレーションや「VMware DRS (Distributed Resource Scheduler)」によるリソースの自動割り当てなどに対応する。
シマンテック プロダクトマーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャ 石井明氏はこの機能について「小規模環境では不要だが、仮想マシンが数百~数千台にも及ぶ大規模環境では、ポリシーベースの運用は不可欠」とし、エンタープライズ領域では大きなメリットになると説明している。
ほかにNetBackup 7.1では、東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)の影響などによってこれまでの考え方や対策が大きく見直されるようになることが見込まれるディザスタリカバリ機能の改善も行われた。
具体的には、バックアップイメージの複製・リカバリを自動化する「Auto Image Replication (AIR)」(自動イメージレプリケーション)と呼ばれる新機能を搭載。管理対象のバックアップデータは重複排除済みのものとなるため、帯域幅への影響も抑えることが可能。これにより、本番のサーバ環境とバックアップ環境の切り替えが迅速に行えるようになるという。
またNetBackup 7.1では、日々の管理業務を支援するツール「Ops Center」のレポーティング機能が強化され、「誰が、いつ、何を変更したのか」といった処理のタイプや履歴を一元管理できるようになり、監査証跡レポートの出力が可能となった。
NetBackup 7.1の参考ライセンス価格は62万円~となっている。