日本デジタルオフィスは、日本マイクロソフト(MS)と協力して、携帯電話およびスマートフォン向けの被災時緊急連絡用アプリ「J!ResQ(ジェイ レスキュー)を開発、無償提供を開始した。

同アプリは、日本デジタルオフィスのスマートフォン向けのソフトウェア開発力を活かして、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の被災地の方々の役立つものを、ということで開発と提供を決定し、日本マイクロソフト、およびオープンソースの開発者コミュニティ「Windows Maniax」の呼びかけで参画したボランティアの協力のもと、開発されたもの。

同アプリを用いると、被災者が携帯電話やスマートフォンを利用して、自身の位置情報と音声を、あらかじめ登録したメールアドレスに自動送信でき、これにより被災者は、自身の無事を家族や友人に知らせることができるようになる。また、J!ResQで被災者が送信した位置情報と音声のデータは、日本マイクロソフトのクラウドプラットフォームである「Microsoft Windows Azure Platform」に自動的に蓄積されるため、J!ResQのメール送信先に入っていない場合でも、発信者のメールアドレスで検索することで知人の消息を確認することができる。

J!ResQの活用イメージ

あらかじめ送信先のメールアドレスを登録しておくことで、アプリの起動からメール送信までを15秒以内に完了することが可能だ。これは数回の操作のみで完了するため、被災時に身動きがとりにくい状況でも利用しやすいという特長を有している。

また、最大5つの送信先に同時にメール送信が可能なほか、メールには、発信者の位置情報(緯度経度)と音声(10秒間)が添付され、地図アプリ(Bing MapsおよびGoogleマップ)と連携することで、メールの受信者は発信者の位置を把握できるとともに、発信者のメッセージを再生することが可能となっている。

さらに、J!ResQのメール送信先に入っていない人でも、発信者のメールアドレスで検索することで、位置の確認と音声メッセージを聞くことが可能だ。

PC以外にスマートフォン、携帯電話でも利用が可能だが、それぞれの機種などにより操作方法が異なるため、日本デジタルオフィスでは、それぞれの機種(PC/スマートフォン/携帯電話)別に用意されたWebサイトを参照の上、アプリを入手し、メールの送信先などを設定してもらいたいと説明している。なお、Windows Phone 7用のJ!ResQも今後提供する予定する予定としている。

  • Androidのスマートフォンの利用者の場合:Androidマーケットから「J!ResQ」で検索してアプリをダウンロード
  • iPhoneを利用している場合:APP Storeから「J!ResQ」で検索してアプリをダウンロード

なお、日本デジタルオフィスおよび日本マイクロソフトでは、日本発の防災アプリとして、J!ResQを世界各国で利用してもらうために、同アプリの多言語対応の提供も予定しているという。