IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は3月22日、IPAに設置したRuby標準化検討ワーキンググループで原案作成を進めてきたプログラム言語Rubyの技術規格書が、JIS規格「JIS X 3017」として制定されたことを発表した。

欧米の技術者・機関・国などが開発を進められているプログラム言語については、JIS規格あるいは国際標準化されているものは多数あるが、日本で発案されたプログラム言語がJIS規格となるのは初のこと。

Rubyは1993年に日本で発案され、開発が開始された「日本発プログラミング言語」。IPAでは官公庁・企業がRubyに関する調達が行えるよう、言語仕様の信頼性を向上させるため、Ruby標準化検討ワーキンググループを設置した。

同ワーキンググループでは、Rubyの文法や基本的なライブラリなどの言語仕様をJIS規格とするため、原案の作成に取り組んできたが、このたび、Rubyコミュニティによるレビュー、日本工業標準調査会のレビューを経て、JIS規格として制定された。

RubyによるプログラムをJIS規格に準拠して作成することで、可搬性や外部システムとの相互接続性を高めることが可能になるほか、Rubyで書かれたプログラムを実行するためのサーバ環境などを開発する際の仕様の拠り所となる。

IPAは、今回のjIS規格原案作成にあたり、コミュニティの意見を反映すること、コミュニティを中心とした今後の発展を阻害しないことに注意を払ってきたという。