宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3月17日、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震およびこれに伴う津波によって被災された方々に向けて、JAXA宇宙飛行士である若田光一氏からのメッセージをYoutubeのJAXA Channel上で公開した。
若田宇宙飛行士のメッセージ内容は以下のとおり。
「皆さんこんにちわ。JAXA宇宙飛行士の若田光一です。大地震の発生についてはテレビや新聞報道で厳しい苦境に立たされていることを知り、こちらヒューストンでもみんなが大きな衝撃を受けてます。被災されたみな様に心らお見舞い申し上げます。
JAXAでは「だいち」などの地球観測衛星を使って災害を監視するシステムを構築しており、今回も被災地の状況をいち早く観測し、救出・復旧計画に役立てていただけるようデータを提供しています。
またJAXAの超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)による岩手県の災害対策支援が行われてます。アンテナ等を持ち、職員5名が岩手県に派遣されております。
日本に限らず世界中の国々が災害をうけたときにそういったデータを提供する国際的なシステムが確立されていて、「災害チャータ」と言われています。
現在国際宇宙ステーションをこの災害チャ―タに取り込んで、宇宙飛行士が国際宇宙ステーションから災害のビデオや写真をとり、地上へ送ることができないかと、日本が提案して話し合いが進んでいます。そのため、私が宇宙ステーションに滞在する頃には私もその責務を負うこともあるかもしれません。
実際に、今回も国際宇宙ステーションのExpedition26クルーがISSから東北地方の写真を撮影して地上に送ってくれました。
国際宇宙ステーションは、ほぼロシアとオーストラリアの緯度の間を包括するように一日に地球の周りを16回飛んでいますので、地球観測衛星と同じような貢献ができると期待されています。また、実際に人の目で見て確認をして、撮影をするということも重要だと思っております。
私自身、2009年の国際宇宙ステーションでの長期滞在の際にも、今回災害に見舞われた東北地域を何度も宇宙から見ました。軌道上の国際宇宙ステーションから見た東北の太平洋岸の地域は緑にあふれた大地を持ち、青い海に囲まれた、本当に美しいところです。
国際宇宙ステーションが日本の人工衛星「だいち」や「きずな」のように災害対応においてすでに国際貢献をしている人工衛星の仲間入りをすることができればと思っています。宇宙から少しでも貢献できるように今後も準備を続けていきたいと思っています。」
なお、JAXAでは、近日中に古川宇宙飛行士のメッセージも掲載する予定でとしている。