日本ヒューレット・パッカードと日本マイクロソフトは3月10日、大規模データウェアハウス専用アプライアンス「HP Enterprise Data Warehouse Appliance」とBI機能に特化したアプライアンス「HP Business Decision Appliance」の提供開始を発表した。日本HP 取締役 専務執行役員 エンタープライズビジネス営業統括 古森茂幹氏は「HPとマイクロソフトの25年におよぶ提携の、新たな進化を象徴するアプライアンス。現在多くのお客様が抱えている経営のスピードアップとコスト削減という2つの課題解決を支援するITソリューションだ」と語り、今後も両社の製品/ソリューションを統合したアプライアンスやサービスを積極的に提供していくとしている。

「DWHで顧客に経営のブレークスルーを届けたい」とする両社。左から日本HP 取締役 専務執行役員 エンタープライズビジネス営業統括 古森茂幹氏、日本マイクロソフト業務執行役員 サーバプラットフォームビジネス本部 本部長 梅田成二氏、日本HP エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 サーバマーケティング統括本部 統括本部長 上原宏氏

DWH専用アプライアンスのHP Enterprise Datawarehouse Applianceは、サーバに「HP ProLiant」、ストレージに「HP StorageWorks P2000 G3」を複数台組み合わせたハードウェア上で、DWH用に超大規模並列処理技術(MPP)が施された専用エディション「Microsoft SQL Server 2008 R2 Parallel Data Warehouse」が動作する。対応データサイズは最大500テラバイトで、40データベースノードがシェアードなしでパラレルに動作するという。最小構成価格は1億8,000万円(参考価格)からで、各種サポート費用やDWH設計支援サービスなどが含まれる。ライセンスモデルはCPU数単位での課金となる。「保守を含めると10億円以上かかると思われる競合他社のDWHと比較して1/3から1/4程度のコストで構築できる」(日本HP エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 サーバマーケティング統括本部 統括本部長 上原宏氏)

BI特化型アプライアンスのHP Business Decision Applianceは、サーバに「HP ProLiant DL360 G7」を採用し、同サーバのパフォーマンスを最大化できるようにチューニングされた「Microsoft SQL Server 2008 R2 Enterpriseエディション」と「Microsoft Sharepoint 2010」がプリインストールされている。参考価格は800万円から。「ProLiantとExcel/Sharepointといった既存の標準技術/GUIで利用できるので、文系社員であっても自由自在にBI機能を使った分析を行うことができる」(上原氏)としており、"敷居の低いBI"、"セルフサービスBI"といった手軽な面を強調している。

両製品のサポートに関しては、「ソフトウェア、ハードウェアを問わず、両社でワンストップで対応する。問い合わせを受けたら1時間以内にはレスポンスするようにしたい」としており、ソフト/ハードともに24時間365日のサポート体制で臨む。

販売目標については「DWH市場で早急にプレゼンスを獲得する必要があると思っている。できるだけ早いうちに2ケタのシェアに到達したい」(上原氏)としている。