Sony Pictures Imageworksのチーフ・テクノロジー・オフィサーであるロブ・ブレドウ氏

ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントは、学生800名を招き、特別イベント「『ソーシャル・ネットワーク』クリエイティブトーク&特別上映」を実施。Sony Pictures Imageworksのチーフ・テクノロジー・オフィサー(CTO)であるロブ・ブレドウ氏が映画『ソーシャル・ネットワーク』におけるCG活用法を紹介した。

映画『ソーシャル・ネットワーク』は、世界最大のソーシャル・ネットワーキングサイト(SNS)「Facebook」創設者マーク・ザッカーバーグの半生を描いた作品。本作のCG制作を行ったSony Pictures Imageworksでは、これまでに映画『スパイダーマン』シリーズや映画『アリス・イン・ワンダーランド』(2010)の視覚効果などを担当している。

同社でCTOを務めるブレドウ氏は、まず、本作のCG制作について「信じられないかもしれませんが、本作には約1,000のビジュアルエフェクトのシーンが含まれており、ほぼ本作の半分ほどの長さにあたります」と、そのCGカットの多さを強調。また、主人公であるザッカーバーグが、ハーバード大学に所属していた頃からの出来事を映像化しているため、ハーバード大学のキャンパス内での撮影が必要不可欠だったが、それが不可能だったため、マットペインティングと呼ばれる手法で、同大学内を再現したことを明かした。

映像内に多数登場するパソコンのモニターは、撮影時、ブルーやグリーンといった無地のスクリーンで撮影され、後からモニター画像を差し替えているとのこと

さらに、クリエイティブ上で最も大きなチャレンジとなったのが、本作に登場する双子の兄弟、ウィンクルボス兄弟をCGを用いて作り出すこと。制作当初、ウィンクルボス兄弟役として195cmほどの長身の双子を探していたというデヴィッド・フィンチャー監督。しかし、うまくマッチする俳優が見つからず、最終的に俳優アーミー・ハマーが二役を演じることになったとのこと(俳優ジョシュ・ペンスが片方のボディアクターを務めている)。

ウィンクルボス兄弟の撮影方法は、まずボディアクターであるジョシュ・ペンスとアーミー・ハマーが一緒に演技を行い、その後、撮影現場のライティングを人工的に再現。その中でアーミー・ハマーがもう片方の演技を行い、ジョシュ・ペンスの顔の上に合成していったとのこと

左:CG合成前、右:CG合成後