日本マイクロソフトと千葉県は3月8日、共同で進めている「ICTを活用した『地域活性化協働プログラム』」の成果報告会を千葉市のホテルポートプラザちばで開催した。報告会には、千葉県知事の森田健作氏、日本マイクロソフト 代表執行役社長 樋口泰行氏らが出席。1月まで募集していた「シニア・ショートムービー・コンテスト」の授賞式や、樋口氏による講演、地域活性化協働プログラムの成果発表などが行われた。

報告会に出席した森田知事

日本マイクロソフトは、昨年2月に千葉県と覚書を締結。1年間にわたって、ICTを活用した「地域活性化協働プログラム」を共同展開してきた。具体的な活動としては、「IT人材育成支援プログラム」、「NPO基盤強化プログラム」、「高齢者向けICT活用推進プログラム」、「セキュリティ啓発プログラム」の4プログラムを実施。日本マイクロソフトが教材/講師などを提供し、千葉県が会場準備や広報活動を担当するかたちで運営している。

これらのプログラムはいずれも、各地域での自主的なIT講座開催を支援する活動になる。そのため、各プログラムで提供されているセミナーは、リーダーや講師の育成に主眼が置かれており、受講者が自身の地域/組織に戻ってITの活用方法を教えられるようになることを目指している。

報告会に出席した樋口社長

実施された4つのプログラムのうち、特に強調されたのが、NPO基盤強化プログラムと、高齢者向けICT活用推進プログラム。とりわけ、NPO基盤強化プログラムに関しては、講座の参加者が、ITに対する敷居を下げるためのキャンペーン活動「ICT31」を自発的に実施するほど活性化。「すごい」、「なるほど」、「これならできる」と思ってもらうような例を紹介し、ITに対して苦手意識があるようなユーザーにも講座を受けてもらえるような環境づくりを行っているという。

また、高齢者向けICT活用推進プログラムに関しては、SkyDriveやHotmailといったクラウドサービスの利用法や、動画の作成方法なども講習テーマとして取り込んだ結果、各地域/組織における高齢者のITスキル向上に大きく貢献。応募資格を60歳以上に限定した「シニア・ショートムービー・コンテスト」が開催されるまでに至った。

イベントに登壇した樋口氏は、ICT31やシニア・ショートムービー・コンテストなど、当初の想定になかった企画が次々と立ち上がり、実施された経緯を踏まえて、「千葉県の取り組みはレベルが高い」と表現。1年間のプログラムが想像以上の成功を収めたことを強調した。

シニア・ショートムービー・コンテストの受賞者