3月8日、帝国データバンクと東京商工リサーチから2011年2月の全国企業倒産の集計結果が発表された。同月の倒産件数と負債総額は、帝国データの発表では884件/3,919億8,200万円、商工リサーチの発表では987件/4,101億8,800万円となっている。

帝国データバンクの調査結果

2011年2月の全国企業倒産の件数は、前月比(976件)比で9.4%の増加となったが、前年同月(966件)に比べて8.5%の減少となった。。2ヵ月ぶりに前年同月を下回り、2010年5月(879件)以来9ヵ月ぶりに800件台にとどまった。

2011年2月の全国企業の負債総額は、前月(2,496億8,400万円)比は57.0%の増加となったが、前年同月(4,275億9,600万円)比は8.3%の減少となり、4ヵ月連続で前年同月を下回った。

全国企業倒産件数・負債総額の推移 資料:帝国データバンク

業種別では、運輸・通信業を除く全業種で前年同月を下回った。なかでも、製造業は前年同月比20.8%と2008年6月以来2年8ヵ月ぶりに120件を下回る水準となった。また、不動産業も2002年9月を下回り、過去10年間で最少だった。

地域別では、9地域中6地域で前年同月比に比べて減少し、なかでも東北(前年同月比44.0%減)となったほか、関東(同12.7%減)は2008年4月以来2年10ヵ月ぶりの低水準だった。一方、中部(前年同月比9.9%増)は2009年11月を上回り、過去10年で最多を記録した。

商工リサーチの調査結果

2011年2月の倒産件数は、前月(1,041件)比で9.4%の減少となり、19ヵ月連続で前年同月を下回った。連続減少期間としては、1971年6月から1973年4月までの23ヵ月連続に次ぐ過去4番目の長さ。月次ベースで1,000件を下回ったのは、2005年9月(987件)以来5年5ヵ月ぶりのことで、同社では、「依然として、中小企業金融円滑化法や景気対応緊急保証制度などの金融支援効果による倒産抑制が続いている」と見ている。

2011年2月の負債総額は、前月(2,363億9,700万円)比で6.5%減少で、4ヵ月連続で前年同月を下回った。食品原料、医薬・試薬品等製造の林原(負債1,322億7,100万円)と関連会社2件による負債100億円以上の大型倒産が発生し、この3件だけで2月負債総額の56.7%と約6割を占めた。全体としては、負債1億円未満の構成比が66.9%、従業員5人未満が66.5%を占めるなど、小・零細規模の企業倒産を中心に推移した。

全国企業倒産月次推移 資料:商工リサーチ

産業別では、農・林・漁・鉱業・建設業・製造業・卸売業・小売業・金融/保険業・不動産業・運輸業・情報通信業・サービス業他の10産業のうち、6産業が前年同月を下回った。増加したのは、輸業20.6%増(29件→35件)、農・林・漁・鉱業12.5%増(8件→9件)、卸売業9.0%増(133件→145件)、小売業8.1%増(122件→132件)の4産業。

主要産業倒産件数推移 資料:商工リサーチ

地区別では、北海道・東北・関東・中部北陸・近畿・中国・四国・九州の9地区のうち、6地区が前年同月比を下回った。増加したのは、北陸21.0%増(19件→23件)と北海道17.1%増(35件→41件)の2地区で、中部が前年同月同数の135件だった。