ルネサス エレクトロニクスは、自動車のターンシグナルライトやブレーキライトなどを駆動するインテリジェント・パワー・デバイス(Intelligent Power Device:IPD)として「μPD166011」「μPD166013」「μPD166014」の3品種を製品化したことを発表した。すでにサンプル出荷を開始しており、サンプル価格は、μPD166011が200円/個、μPD166013が160円/個、μPD166014が240円/個となっている。量産は2011年度より順次開始し、量産規模は3品種合計で月産200万個を計画している。

ルネサス エレクトロニクスの自動車用ライト駆動用IPD「μPD166011/013/014」

3製品は、「μPD166011」が12ピン パワーHSSOPのパッケージにオン抵抗が25mΩの出力を2チャネル備えた製品、同パッケージ採用でオン抵抗60mΩの出力を2チャネル備えたのが「μPD166013」、24ピン パワーHSSOPのパッケージにオン抵抗60mΩの出力を4チャネル備えた製品が「μPD166014」となっている。

IPDは、スイッチング素子のパワーMOSFETと各種保護機能、および自己診断出力機能を実現する制御回路を1つのパッケージに内蔵したデバイス。

従来、スイッチング素子のパワーMOSFETと制御回路は異なるプロセスを採用しているためIPDは2チップ構成であったが、今回の3製品は高電圧・大電流に強い新規プロセスを採用したことで1チップ化を実現。これにより、従来品はTO-252パッケージに1チャネル出力内蔵であったのに対し、μPD166011およびμPD166013はパッケージサイズがほぼ同等の12ピン パワーHSSOPに出力を2チャネル内蔵しており、従来品の半分の数でライト駆動回路を構成可能となった。

また、12ピン パワーHSSOPで、オン抵抗が25mΩと60mΩの出力を2チャネル備えたラインアップとしたことで、例えば、制御ユニットの開発段階でライトを駆動する負荷の条件が変わり、より低オン抵抗の製品が必要になった場合、同一パッケージかつピン互換性を有するため、基板を変更することなく置き換えが可能となる。

さらに、10W/21Wクラスのライトを駆動するオン抵抗60mΩの製品は、4チャネル出力品もラインアップ。これら2チャネル品、4チャネル品のハイサイド型IPDの製品化により、多様化するライトの数や種類にも柔軟に対応することが可能となったと同社では説明している。

加えて、自動車の外装ライトアプリケーションの場合、ライトが車体外周部に設置されることから、制御ユニットからライトまでのワイヤハーネスの距離が長く、負荷ショート状態に陥る可能性があることから、負荷ショート状態による大電力が印加されるIPDには、断続的に長時間続く負荷ショート状態に対し、高いロバスト性が要求されていることから、3製品には、想定される負荷ショート状態において異常状態の判定基準が最適化されるように制御回路部を改善することで高ロバスト性を実現。これにより、AEC-Q100準拠の負荷ショート信頼性試験(AEC-Q100-012)にて最上級グレードAを実証している。