Wind Riverは、同社の組込機器向けリアルタイムOS(RTOS)「VxWorks」の最新版となる「VxWorks 6.9」を発表した。同バージョンでは、マルチコア処理の対応が強化されたほか、64ビットコンピューティングのサポートも含まれた。
同バージョンでは、従来スーパーコンピュータやサーバ市場に限定されていた、データおよびコード実行での64ビットサポートを、組み込み分野でも提供できるように拡張が行われた。爆発的に増え続けるデータに対応することが要求される通信ネットワークインフラ機器などでの利用を中心に他の業種でも64ビット対応が求められており、同社では高精細画像といったインダストリアルやメディカル分野のアプリケーション、高度に複雑なレーダー、ソナー、センサのような航空宇宙・防衛アプリケーションなどを例として挙げている。
また、対称型マルチプロセッシング(SMP)と非対称型マルチプロセッシング(AMP)のどちらの構成でも、マルチコアの処理性能が向上するように改良が施されたほか、Intel最適化 C++コンパイラとIPP(Intel Performance Primitives)ライブラリがIntelアーキテクチャ向けにバンドルされるようになった。
さらに、同バージョンより、ARM Cortex A9プロセッサがサポートされ、マルチコアSMPとARM Thumb-2命令セットを提供するほか、新たなセキュリティ機能やIETF RFCのサポート強化など、ネットワーク機能の強化も図られている。
なお、同バージョンは2011年3月中の提供開始が予定されている。