Texas Instruments(TI)は、同社のデジタル・メディア・プロセッサ・プラットフォーム「Davinci」に、ハイ・パフォーマンス品「TMS320DM8168」および高い電力効率を実現した「TMS320DM8148」の2製品を追加したことを発表した。DM8168はすでにサンプル出荷を開始しており、量産出荷時の1000個受注時の単価は75ドル(参考価格)となっている。またDM8148は2011年第3四半期のサンプル出荷開始を予定しており、量産出荷時の単価は1000個受注時で51ドル(参考価格)からとしている。

Davinciのパッケージイメージ

DM8168は、最高3本の1080p60fpsのビデオ・ストリームと12本の720p30fpsビデオ・ストリーム、またはそれよりも低い解像度の複数のビデオ・ストリームの組み合せを同時にサポートでき、競合製品と比較して最大3倍のビデオ・ストリーミング能力を提供することが可能だ。

これによりカスタマは複数のビデオ・ストリームのキャプチャ、エンコード、デコード、および解析し、最高3台の独立したディスプレイで同時に表示する機能を持つ、ビデオ集約機能システムを構築できるようになるほか、先端解析機能による製品差別化もできるようになるという。

一方のDM8148は、1本の1080p60fpsのビデオ・ストリーム、3本の720p30fpsのビデオ・ストリーム、またはそれより低い解像度の多数のビデオ・ストリームの組合せを、消費電力3Wで同時にサポートできるビデオプロセッサ。

DM8168と同様の先端のディスプレイおよび解析機能を備えており、コンシューマ向けおよび医療用ビデオ・アプリケーションでのSkype用のビデオカメラ、インタラクティブなデジタル広告ボード、映像監視用のデジタル・ビデオ・レコーダ(DVR)、IPネットワーク・カメラ、ストリーミング・メディア・プレーヤおよびネットワーク接続のプロジェクタなどでの活用が想定されている。

なお、2製品はソフトウェア互換のため、同社のソフトウェア開発キット(SDK)「EZ-SDK」を使うことで、同一のDaVinciプラットフォーム上で、既存ソフトウェア・コードの再使用ならびにカスタマイズが可能となり、複数の製品を容易に開発することが可能なほか、ビデオ処理が不要なアプリケーションについてもEZ-SDKを用いることで、ピン互換性を備えた同社のARM MPU「Sitara」またはDSP+ARM「C6-Integra」の各プラットフォームへの移行も行うことが可能となっている。