米Webroot Software CEOのDick Williams氏

ウェブルート・ソフトウェアは3月2日、日本市場向け新製品ラインナップ「Webroot 2011 シリーズ」を発表した。アンチマルウェア、ID管理、ファイル共有などの機能を提供する4製品が用意されている。

ウェブルート・ソフトウェアは、米国における個人向けアンチスパイウェア市場でシェアNo.1を誇る米Webroot Softwareの日本法人。米国では、法人向けソリューションも提供しているが、国内では現在のところ、個人向けセキュリティ製品に特化して販売活動を行っている。

今回発表されたのは、以下の4製品。

  • Webroot Spy Sweeper : スパイウェア対策に特化した製品。他社製のアンチウイルスソリューションとも協調して動作する
  • Webroot AntiVirus with Spy Sweeper : スパイウェアに加えて、ウィルス対策機能も追加した製品
  • Webroot Internet Security Essentials : 上記に加えて、迷惑メール/フィッシング対策やオンラインファイル共有サービスなども提供する統合製品
  • Webroot Internet Security Complete : 上記に加えて、ID管理機能、個人情報保護機能などが追加された最上位製品

各製品の主な機能は以下のスライドのとおり。

4製品の主な機能

米Webroot Software CEOのDick Williams氏は、同社製品の特徴として「クラウドベース」、「ユーザーセントリック」といったキーワードを挙げる。

クラウドベースに関しては、まず、世界中で常時発生しているインターネット脅威をリアルタイムに検知できるようになり、強固なセキュリティが確保できるようになることを強調。そのうえで、巨大なシグネチャファイルを必要としなくなるため、ハードウェアリソースに制限のあるモバイル端末も保護できることを説明した。米国ではすでにAndoroid向けエージェントのβ版を公開しているという。

説明会に登壇した米Webroot Software 上級副社長 製品戦略担当のMike Malloy氏

一方、ユーザーセントリックに関しては、昨今のユーザーがPCやスマートフォンなど、インターネットにつながる端末を複数保有しているという現状に触れたえうえで、「個々の端末ではなく、ユーザーを脅威から守る」というコンセプトを紹介。クラウド技術を活用しながら、ユーザーのデバイスを同期させ、統合的に保護できるソリューションを開発していることを明かした。

また、製品の詳細を紹介した、ウェブルート・ソフトウェア マーケティング・マネージャの森下浩児氏は、最上位製品「Webroot Internet Security Complete」の機能を例に挙げながら、同社製品が使いやすさに配慮して開発されていることを解説した。

例えば、Windowsのタスクトレイに大き目のアイコンを配置し、問題がなければ緑色、お知らせがあれば黄色、危険があれば赤と、PCの状況をわかりやすく伝える設計になっているほか、Webブラウザ向けのツールバーも提供しており、これを導入することで、Googleなどの検索結果ページに各Webサイトの信頼度の情報を追加されるという。

問題を発見したときの画面。右下のタスクトレイのアイコンも赤くなっている

Googleでの検索結果。Webページの中にサイトの信頼度が追加されている(ハイライト表示されている部分)

さらに、同製品では、各種インターネットサービスのIDとパスワードをWeb上で管理する機能も搭載。メールやSNS、ショッピングサイトなどのID/パスワードが、ツールバーのクリック操作だけで自動入力されるため、ユーザー自身で覚えておく必要がなくなる。また、パスワードを自動生成する機能も組み込まれており、パスワードの定期的な変更作業も手間をかけずに行えるという。なお、これらの機能はモバイル端末向けにも提供される予定で、各デバイスのWebブラウザにID/パスワードを記憶させるといった作業も不用になる見込みだ。

ID、パスワードなどの確認画面

そのほか、ユーザーの利便性を高める機能としてクラウドベースのファイル共有サービスが組み込まれている。こちらは、ファイルが更新されても5世代前までデータが残されるといった特徴があるうえ、アップロードしたものに関しては、写真ファイルをFacebookにポストしたり、音楽ファイルをWebブラウザ経由で聞いたりすることも可能になっている。

アップロードしたファイルの閲覧画面

アップロードしたファイルは、更新しも5世代まで保存されている

今回発表された製品は3月1日より販売が開始されている。ウェブルート オンラインストアでのダウンロード販売、もしくは家電量販店のパソコンサポートカウンターでのインストール販売というかたちで提供されている。