さくらインターネットは3月1日、IPv4枯渇への対策として、同社の研究組織であるさくらインターネット研究所でIPv6接続テストサービス「さくらの6rd」(トライアル)を開始したと発表した。同サービスは、同社の既存のIPv4サービスを利用している顧客が対象。

同社はIPv4枯渇への対策として、サービスのIPv6対応、プロトコルトランスレーションサービスの提供、IPv4アドレスの確保などを検討しているが、既存の顧客へのIPv6の対応方法として、6rdの採用を決定した。

6rdはRFC5969で定義された規格で、IPv6 rapid deploymentの略。IPv4からIPv6へ移行する技術「6to4」と同様に、IPv6をIPv4上で転送するための自動トンネル技術の一種である。

6to4ではリレールータでIPv4とIPv6を中継しているが、ユーザーでは制御できないという課題がある。こうした課題を解決するため、6rdではプロバイダーが持っているunicastのIPv6アドレスを使うことでトラフィック制御を実現している。

同サービスを利用するにあたって、対象となる顧客は申し込みを行う必要はなく、各自でサーバOSやルータの設定を行えばよい。同サービスの対象のOSは「FreeBSD8.x」「Ubuntu10.10」「Fedora14」「Cisco IOS 15.1(3)T」。これら以外のOSは、動作確認がとれたものから順次設定方法が公開される。

「さくらの6rd」のシステム構成