Software AGは2月28日(現地時間)、ドイツ・ハノーバーで開催中の「CeBIT 2011」において、クラウドコンピューティングに対する同社のアプローチとして「Software AG Cloud Ready(以下、Cloud Ready)」を発表した。まず手始めとして、同社の主力製品である「webMethods BPMS」と旧IDS Scheerの「ARIS」を企業のプライベートクラウド上で提供可能にする統合製品群を2011年第3四半期に提供する予定。
「我々はGoogleやFacebookを見ていて、スケーリングの重要性を学んだ」と語るのはSofware AGでCTOを務めるWolfram Jost氏。同社がクラウドというーワードをソリューションにかぶせて発表するのは今回が初めてだが、「もともとSoftware AGはSOA/BPMに代表される相互接続やアプリケーション連携を得意とする会社であり、これまで我々が行ってきた努力は正しい方向にある」と語り、クラウド上でSOAおよびBPMを広く実現させていく用意があるとする。
具体的にはプロセスインテリジェンスをクラウド経由で利用可能にするほか、Amazon EC2のようなパブリッククラウドやVMwareで構築されているプライベートクラウド上でwebMethodsおよびARISを統合して利用できるようにする。パッケージにはモデリング、プロセスマネジメント、SOA、クラウド統合ツールが含まれる。これにより、ユーザはオンプレミスで利用しているアプリケーションとクラウド上のアプリケーションを容易に統合でき、また、全ライフサイクルにわたって統一されたガバナンスでもって利用することが可能になるという。ユーザはIT部門とビジネス部門のコラボレーションを促進できるだけでなく、適用可能なステークホルダーの範囲をパートナーや顧客を含む内外に拡げることが可能になるとしている。また、ソフトウェアのライフサイクルマネジメントもオンプレミス/クラウドを問わずに統一して実現することが可能になる。
「以前はソフトウェアはモノリシックな世界にあった。だが今は違う。ソフトウェアはスケーリングするものであり、市場の要求に迅速に対応できなければならない。Cloud Readyによって顧客は今までよりもずっとエクストリームなコラボレーションを実現できる」とJost氏。クラウド上で実現する新しいタイプのミドルウェアとして注目される。同社は今回のCeBIT 2011において「デジタルエンタープライズ」「エンタープライズBPM」などいくつかの新ソリューション発表を予定しており、こちらも追ってお伝えしていきたい。