KDDIは3月1日、Android搭載端末を対象とした法人向けセキュリティソリューション提供について米国のThree Laws of Mobility(以下、3LM)と提携したことを発表。10月をメドに3LMの技術を採用した商用サービスを開始する。

KDDIのAndroid搭載端末向けセキュリティ管理サービス(今回の提携は「端末の情報セキュリティ」に位置付けられる)

KDDIはすでにAndroid搭載端末向けのセキュリティソリューションとして、「リモートロック for IS series」などの提供を開始しているが、同社取締役執行役員常務 石川雄三氏は、3LMとの提携をベースとしたサービスの投入によって「Android搭載端末の導入に関して法人が抱える課題のすべてをクリアできるようになった」としている。

3LMとの提携は、「アプリレベルではなく、OSレベルでのセキュリティ対策機能を端末側に実装できる」ことがポイントとされており、同社の技術によってデバイスの機能利用制限やデータの暗号化などをIT部門が主導的に行うことが可能になるという。

記者会見に同席した3LMのCEO トム・モス氏は「OSレベル(Android Application Framework)の改変が可能なAndroidは、実は最もセキュアなモバイルOSである」とし、「法人向けのモバイルOSはAndroidしかない」という考えがKDDIと一致したことが提携に至った大きな理由だとしている。ただし3LMとKDDIとの提携は独占的なものではなく、モス氏は「将来的には他のキャリアとの提携もあり得る」と説明した。

KDDIのAndroid搭載端末を対象とした法人向けセキュリティサービスのロードマップ

今後KDDIは、8月をメドに3LMの技術を活用したセキュリティソリューションのトライアルサービスを実施。10月には(6月提供開始予定とされる)「ビジネス便利パック for Android」の追加機能として商用サービスが展開される予定となっている。商用サービス開始時の対応端末や料金などの詳細は未定。

KDDI 取締役執行役員常務 石川雄三氏(左)、Three Laws of Mobility(3LM) CEO トム・モス氏