矢野経済研究所は2月28日、国内ERPパッケージ市場に関する調査結果を発表した。調査は、2010年11月から2011年1月にかけて国内ERPパッケージベンダー23社に対して直接面談を行うかたちで実施されている。

それによると、2010年のERPパッケージ市場は、前年比1.7%増の985億円。2009年は前年比約15%減を記録したが、2010年は下げ止まったかたちになる。矢野経済研究所では、「ERPへの投資は確実に戻ってきており、2011年からの市場の伸びには期待が持てる状況である」と説明している。

また、2011年に関しては、前年比7.6%増の1060億円にまで回復すると予測。その理由として、「事業構造の改革、グローバル事業の強化、IFRS(国際会計基準)対応などを目的とした新規投資が活発化している」ことを挙げている。

なお、市場の概況について矢野経済研究所は、「2008年~2010年に市場停滞期にあったERP市場で、ベンダー間の競争は激化している。価格競争は厳しく、価格の下落傾向が続いているため、値下げへの対応力を持つベンダーがシェアを伸ばす傾向もみられる」と分析。さらに、「過当競争を避けるため、クラウドサービスの提供や中国などアジア市場での製品販売など、新事業に着手し、新規顧客を獲得しようとする動きが起きている」と続けている。

国内ERPパッケージ市場の市場規模推移