STMicroelectronicsは、バイポーラ・パワートランジスタの新製品ファミリとして「3STR1630」を発表した。同製品は、高電流容量、コレクタエミッタ・ブロッキング電圧および低コレクタエミッタ間飽和電圧などの特長を組み合せたトランジスタで、LED駆動回路、モータ/リレー駆動回路およびDC/DCコンバータでの適用が想定されている。すでに量産出荷を開始しており、1000個購入時の単価は約0.15ドルとなっている。
同製品は、新たに開発した低電圧プレーナ技術を採用したNPN型トランジスタで、同プレーナ技術は、高度な露光装置を使用せずにセル密度を約2倍にすることが可能なダブル・メタル・プロセスを取り入れて製造される。
同プロセスの採用により、同じダイ・サイズで電流能力が従来品比で約50%増大することに加え、最大定格値100VのVceo、最高300kHzの動作スイッチング周波数、およびVce(sat)が同40%低減したトランジスタを実現することが可能となる。
この結果、3STR1630はBVceoが最小30Vで、28Vのブロッキング電圧能力と最小Vce(sat)との間におけるバランスを実現しており、hFE値50での等価オン抵抗100mΩを実現している。
また、SOT-23パッケージを採用しながらも、最大6Aの連続電流を処理することが可能となっている。